野叟解嘲(やそうかいとう)ー町医者の言い訳ー

老医師が、自ら患者となった体験から様々な症状を記録。その他、日頃、感じていることや考えていることを語ります。

椎間板ヘルニアの合併

2022年10月10日 | 日記

前回は、腰椎すべり症の画像と症状について書きました。さて、すべり症が判明した時点では手術は考えていませんでした。次にお見せするMRI画像は、すべり症が判明してから3年ほど経ってからのものですが、ある日、突然に右臀部に電気が走るような感覚が出現しました。力仕事をしたわけではなく、風呂上りに体を拭いている時、ちょっと前かがみになった瞬間の出来事でした。その後、右臀部から大腿後面、下腿から足の外側にかけて、軽い痛みが続くようになりました。これは⁉と思って撮影したものです。

L5S1にヘルニアが見えます。これは厄介なことになったと思いました。日に日に症状が強くなっていき、歩くこともままならなくなり、ついに観念して、手術を予定することとしました。丁度、クリニックの改装の予定もあったので、その工事に合わせて診療を休み、治療しようと考え、何とか時間を稼ごうと硬膜外ブロックも2度受けました。しかし、いずれもブロック後の数時間しか効果がありませんでした。右のAXIAL画像を見てお判りでしょうが、脱出したディスクは見事に椎間孔にはまっています。これは最も痛みが強いと言われるタイプです。若い頃、尿管結石も患ったことがありますが、その痛みの比ではありません。結石の際には、ペンタゾシンの注射をしてもらいましたが、その時も傷みは消えませんでした。でも、何故か「痛ててて」と言いながら笑いが止まらない不思議な状態でした。今回は、笑う余裕はありません。右臀部から足先にかけて「冷凍した(「熱した」ではありません)金属棒を刺されたような激痛が、動くたびに走ります。人生最高の痛みと言って間違いありません。幸い、神経痛ですから激痛は瞬間的で、数分間は余韻があるものの長くは続きませんでした。しかし、寝ていても、少しでも動くと痛みが出ますので、「ほとんど一睡もできない」状態でした。この「ほとんど」というのは、自分では眠った記憶がないのですが、日中も眠気を感じないのです。おそらく数分ずつ、細切れに眠っていたのだと思います。いずれにしろ、どうにも堪えきれず、手術予定を早めてもらうべく、緊急に入院をお願いしたのでした。

次回、硬膜外ブロックの経験についてお話します。