飽き易い、というのは非常に困る性分である。というのは愚生の事である。
人間、ながく継続して事を行えば、それがたとえいかに小さな事であっても結果的には大きな利益を生んだりするものであるというのはこれ事実で、逆に言えば、継続して事に当たらなければ何事も大きな結果には繋がらない、という事になる。
と思うとますます私なんかは困る。
私なんかはこのような処に詩や随筆などをつぶつぶ書いて発表をしている。作家というにはすこし恐れ多いのだが、もしかしたら詩人・随筆家などとは言えるのかも知れない。しかるに何ですか。最近は。全然書いていないじゃないの。何故書かないのか、はっきりいって、何も書く事が無いのである。困った困った。では何故書く事が無いのか?普段あほの様に何も考えず、ただ息をしているだけの腑抜けに成り下がってしまったのか?と言うとそうではなく、俺なんかが普段から考えている事は実に多種多様でそこいらの凡人が思考して到達出来る領域には決して居ないっつうか、物事を深く考えすぎてそろそろ俺は神になれるんじゃねえのかなぁ?と最近は考えている自分について考えている自分について考えている。実は。では何故か、正味の処、書く事自体に飽きてしまったのではないのかなぁ、と思っている。
小生は数年前は絵なんかを描いていた。画家をしていた。しかし現在は描いていない。画家といえない。何故か。是れも実際はただ飽きたからではないのか。ついでに言えばこの飽きの病ともいえる難儀な性分はこの文章からも読み取れる。先から愚生とか私とか俺とか小生とか、一人称がばらばらだ。何故か。これももしかしたら一度使用した一人称に飽きてしまっているからではないのか。うぅ怖い。それは余が。あわわ、またやってしまった。くそう。
このままでは何も成し遂げぬ無意味な人生・人間になってしまう。ところで芸術は孤独からのみ生まれ得ると言うが、何も書けない、芸術を生めない、というのは俺が現状孤独ではない、満たされた存在であるという事かも知れず、それはそれでこのまま現状をキープしつつ、俺を満たして呉れている全ての者に寄り添いつつ、何事も無く幸福な最後を迎える、というのも悪い話じゃないかなぁと思ったのだけれども、やはり折角生まれてきてしまったのだから何か大きな偉業的なことを成し遂げ、この名前を後世にのこし知らしめたい、と思ったら矢張り自分には芸術の才くらいしか無いのではないのかなぁ、と思ったので、飽きるとかそういう下らない御託を延々と言ってないで、毎日一編でも詩などを書かないといかんなぁと思う、っていうかさっきから思考が滅茶苦茶で何故かと言ったら一度思考した事について直ぐに飽きてしまうからだろうなぁ。つまり、何でもいいから黙って詩を書いてこましたろ、という事ですよ。
とは言っても、書く事がないことは事実である。何故なら俺は孤独じゃないから。しかしね、今時芸術なんて流行るのかね。詩なんて。下記は俺が書いた詩である。
『ちょっと程の高級に負けた貧乏人が
欲望などは疾うに断ったと謂うた顔面で
浮き輪を所望して居られる
仕方があるまい徴収されたのだから
ゆうに不幸など越へて
海に浮かぶ絶望たちがの』
これが凡人に理解出来ますか?共感を得ますか?いや無理だね。この無理に俺は逸早く気が付くべきだった。皆さんが求めているものはもっと普遍的な事、それでいてシンプルな事。共感し易い事、これが重要なのだよ。それが次に来る詩だよ。つまり芸術を捨てた詩こそ詩であって詩でない屍の詩、俺はこれを芸術と見做して作品を書こうと思うのだ。これは盲点だったなぁ。はは。何、難しく考える必要は無い、書く人間も読む人間も気楽に思ったままで、そういうのでいいんだよ。では書くよ。
『電子辞書が壊れた。
画面が付いたり消えたり 繰り返す。』
これは、電子辞書が壊れて、画面が付いたり消えたり繰り返す、というそのままの意味である。
『若い者(俺など)の反抗・反逆心みたいなのに「そのままでも良い」とか、
そういう意味の事を無責任に言う中年とか
自分の信念みたいなのが感じられなくてなんか腹立つ。
かと言ってこちらの意見に反論されても腹立つ。』
これは、若い者(俺など)の反抗・反逆心・・・・・・・・まぁそのままの意味である。
『レストランで背後の席に座っている奴がソファーの背凭れにもたれた時の、
ぐって感じがこちらの背凭れに伝わって来て、
奴が無配慮にぐってやる度に俺は実にアングリー』
ままの意味である。
『店で出されるコーヒーにはたまにどれだけ砂糖を入れても何故か甘くならない場合のものがある。』
まま。
『小便をした手でズボンのチャックを上げたくないので、一度手を洗ってからチャックを上げ、
再度手を洗い直す俺のストレンジなルーティン」
『俺ん家の洗剤は無添加。
シャンプーも無添加。』
『片想いはしない主義。
自意識が傷つく』
ざっとこんなもんかも知れない。
しかしこれでは詩と言うにはリズム感というか、調子が悪いので無駄を省き要約したら完成。
『電子辞書が壊れてむかつく
四の五の言う中年もむかつく
背中越しのぐって感じもむかつく
砂糖を入れても甘くならないヒーコーもむかつく
ズボンのチャックにもむかつく
てか小便にむかつく
そんな俺の心を救うのは無添加 あぁ無添加
しかしそれは俺の片想いかも知れない むかつく』
上手く出来た。これを明日、全知人に発表。
というパターン。
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