筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と生きて

十歳で小児筋痛性脳脊髄炎/小児慢性疲労症候群を発症。病と共に生きて来た記録。

父親

2023-09-29 17:53:53 | 日記
我が子がある日突然体調が悪くなり、学校に行くこともできなくなったけれど病気ではないと言われ、不登校と判断された。
こんな状況の中での親の対応は、その家々によって違うと思います。

我が家の場合はとにかく母親が私にきつく当たりました。
言葉の暴力は日常茶飯事になり、前述したように、怒らせると手も上げられました。
朝、父親が仕事に行き、妹が保育園に行ってしまうと日中は母と二人きりです。
本当に地獄のような時間でした。

その母親に比べると、父親は接する時間の短さもあり、全体的に関わりは薄かったです。
ですがその中で忘れられないワンシーンがあります。

起き上がるのが難しく布団で寝ているしか出来なかった私の元にある日父がやってきて、無理矢理に私を引き立たせ後ろから羽交い締めにしました。
とにかく私の体は本当に辛くてたまらない状態だった為、私は大きな声も出せませんでしたが、声を必死で絞り出して「止めて止めて」と懇願しました。

どの位の時間が経ったのか分かりません。 気が遠くなりそうな程とにかく凄く苦しかったので長く感じただけで、実際はごくわずかな時間だったのだと思います。
私を離してくれた父は「しんどかったか?ごめんな」と後ろから私を抱きしめたまま言ってくれました。
もしかしたら父は泣いていたのかもしれません。
その時父も私がこうなって悲しいのだと感じました。

私の父はとにかく陽気な人で、怒ることはあっても悲しむという感情を父からはそれ以前もそれ以後も、一度も感じたことがありません。
もう父は他界してしまいましたが、長い歳月を共に過ごした中で、父親から悲しみという感情を感じた、ただ一度の出来事でした。

普段は忘れてしまっている出来事ですし、私はずっと父親のことが苦手でしたが、この出来事はきっと一生忘れることはないと思います。


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