ヤヒヤ・シンワル氏が殺害された。ナクバを体験した両親を持ち、難民キャンプの貧困の中に育ち、イスラエルとの戦いに一生をささげたシンワル氏の生き方、死に方に、私個人は頭を下げたい。私自身は一部外者かもしれないが、意見を述べたい。パレスチナの解放の主人公はパレスチナの人々だ。ハマスでもその他の組織でもない。
解放の道筋は多様だと思う。停戦の実現から。イスラエルの占領を終わらせ、パレスチナ人自身が解放の主体となって、占領も封鎖も抑圧もない社会を作っていく。その具体的姿は多様であろう。そこに住み生活する人々自身が自らの現在と未来を作っていく。排除ではなく共存の道だろう。それはイスラエル問題を根底に抱える現代世界の体制の根本的転換をはらむものでもある。パレスチナ解放はパレスチナ人自身の事業だ。
今は、そのパレスチナ人自身の生存そのものの危機にまで追い詰められている。イスラエルと米国との軍事的力の差は天文学的大きさだ。だが、力の弱い勢力が、自らの解放を掲げ闘うには、闘い方の課題がある。圧倒的に力が弱い時には、まず自らの勢力の維持がある。まず防御である。徹底して守り抜くことだ。奇襲はそのあとに圧倒的な力を持つ勢力から守り切れる見通しが必要だ。奇襲は味方の勢力を防御できる見通しがなければやってはいけない。反撃は敵との力関係をしっかり見極めてからの話だ。圧倒的に力の差があるときは、まずは守る事だと思う。
今となっては遅すぎたのだろうか。あまりにも多くの命が奪われた今となっては。いや、そうではない。まだ生きている。とにかく、今はまずは停戦だ。
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