高槻は社長の許可を得て、斉藤をパチンコ店に送り出した。タバコの煙が苦手だと言う斉藤は、全面禁煙のパチンコ店を選び、会社からの軍資金5000円を持って、意気揚々と出かけて行った。
5000円では30分で帰ってくるな、と思って送り出した高槻は、昼になっても戻らない斉藤に電話を掛けた。「初めてなんだから、負けは気にするな。帰ってこい」と言うつもりだった。
電話はなかなかつながらなかった。斉藤が熱くなっているなら、迎えに行ってやろうと思っていると、「はーい、絶好調の斉藤ちゃんでーす」と斉藤が電話に出た。玉が立てる音とキャラクターが笑う声でひどい騒音だ。
「斉藤、メシも食わずにやってるのか?勤務なんだから、休憩は取れよ」
「だって課長、5連チャンなんです。帰っていいんですか?」
「出てるのか?」と高槻が聞くと、「よしっ!パープル、パンチだ」と叫ぶ斉藤の声が聞こえ、電話が切れた。
「当たっているようです。斉藤を迎えに行ってきます。電話があったら、待っているように伝えて下さい」
高槻は部長に言って、営業車に向かった。
斉藤が最強の攻略法を見つけたのだとしたら、部長とは同格に戻れる。
5000円では30分で帰ってくるな、と思って送り出した高槻は、昼になっても戻らない斉藤に電話を掛けた。「初めてなんだから、負けは気にするな。帰ってこい」と言うつもりだった。
電話はなかなかつながらなかった。斉藤が熱くなっているなら、迎えに行ってやろうと思っていると、「はーい、絶好調の斉藤ちゃんでーす」と斉藤が電話に出た。玉が立てる音とキャラクターが笑う声でひどい騒音だ。
「斉藤、メシも食わずにやってるのか?勤務なんだから、休憩は取れよ」
「だって課長、5連チャンなんです。帰っていいんですか?」
「出てるのか?」と高槻が聞くと、「よしっ!パープル、パンチだ」と叫ぶ斉藤の声が聞こえ、電話が切れた。
「当たっているようです。斉藤を迎えに行ってきます。電話があったら、待っているように伝えて下さい」
高槻は部長に言って、営業車に向かった。
斉藤が最強の攻略法を見つけたのだとしたら、部長とは同格に戻れる。