「願興寺」悠久の1200年

最澄縁の願興寺ブログ。2015年には開基1200年祭を予定。本堂、24体の仏像が国指定の重要文化財。

歴史というものを考える

2009-05-20 19:06:00 | 願興寺
今現在の生活について、楽に暮らせる社会だと思っている人は、かなり少ないのではあるまいか。どうも民主化が進んだといわれる現在の日本の社会で、何か大切なものを失ってしまったように思われる。このブログを公開し始めた当初に、願興寺の発祥について語った。

当時の東山道のような街道の利用方法。街道を利用していた人々の苦難。その苦難を強いた当時の権力者。その中で、願興寺建立の祖である最澄をはじめとする人格者たち。どうも大体が暮らせるような今の日本のような中途半端な民主社会では、ほんとうの意味での助け合いがかえってできないように思われる。

納税や労役で遠隔地へ行くことを強要されたた人々や疫病に苦しむ人々を真剣に救おうとする人格者は、今の世に現れるのだろうか。何か自分だけが新型インフルエンザに感染しなければよい。自分だけが何とか生き延びられればよい。と考えている人があまりに多いように思われる。

ただ、ナチスが支配していたときのように、無理難題を押し付ける権力者に尻尾を振ってついていくのも大問題であろうが… 願興寺は古びた貧乏寺であるが、その最澄による草創、2度目の兵火による焼失後の民衆の蜂起に対しては、こういう世であるからこそ見習いたいものである。

願興寺公式サイト