「願興寺」悠久の1200年

最澄縁の願興寺ブログ。2015年には開基1200年祭を予定。本堂、24体の仏像が国指定の重要文化財。

憲法記念日

2013-05-03 09:25:56 | Weblog

今日は昭和22年に憲法が公布された記念日であり、新聞では憲法談義が紙面を賑わせている。日本国憲法が他国の押付けであるとした意見もあるようだが、「我らと我らの子孫のために、諸国民との協和による成果と、我が国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が訪れることのないようにすることを決意し、ここの主権が国民に存することを確認し、この憲法を確定する」また「諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した」とある現行憲法の前文に記してある我が国の憲法である。

私たちは戦争の恐怖を感じることなく育ってきた世代である。この憲法は起草された時代を知らない世代である。短絡的に近隣諸国から見下されたように勝手な解釈し、交戦権を保持しようなどとはもっての外の議論ではなかろうか。この憲法があってこそ、私たちは戦争の惨禍を見ることなしに生活が成り立ってきたという、恩恵を見逃すことはできないだろう。

現在の政権はまずは憲法を改正しやすくし、その後に国民主権を縮小し、国防軍を保持し、他国と対等関係に立とうという論らしい。「われらはいずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであって、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係を維持しようとする各国の責務であると信ずる」と謳った現憲法からすると、目には目を、歯には歯をと謳ってあった古き短絡思想の言葉を思い出すような現政権与党の改正案である。

現憲法の理想を実現するのは、実に長きに亘り意志の持続が必要なものであろう。再び戦争の惨禍が訪れることのないようにするとは、国民の安全と生存を保障する我が国の責務であると信ずる。憲法記念日に当たり、現政権が改憲を目指すのであれば、現憲法以上に国民の主権を、国民の安全と生存を、国民の福利を目指したものでなければならないと考えて欲しいと思う。

牡丹もまだ咲いています。お時間があれば願興寺へお越しいただきたいと思います。

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