御嵩町の亜炭採掘鉱の陥没事故が大きく報道されている。今、御嵩町は自治体としての真価が問われていると言ってよいだろう。今まで、盛んに主張されてきた「国策として採掘されたものであり、住民や御嵩町はその被害者である」などと悠長な主張をしているときではない。聞くと前柳川町長の時に開かれていた亜炭鉱害に対する審議委員会も、ここ3年ほどは開催されていないという。
御嵩町の亜炭の炭層は、東海湖という湖であった時代に、御岳の噴火による火山灰とともにメタセコイヤが大量に流されて堆積してできたものだという。そのため、2層から3層を成しているといわれている。そして、噴火の流れから北東から南西に向って堆積したものだという。つまり、北側の炭層は比較的浅く、南に下るほど炭層が深くなる。
今回のそうであるし、このところ起きている陥没のほとんどが北側の廃坑跡の陥没とみられる。このあたりは比較的浅い炭層であり、廃坑は縦鉱ではなく斜坑といい、斜めに掘り進んでいる。つまり、炭層は平面状にあるのではなく、北東から南西に向って傾斜しているのである。
ところで、御嵩町の亜炭鉱の採掘にも特徴があった。御嵩町には筑豊炭田でボタ山、石狩炭田ではズリ山と呼ばれているような採掘残土の捨て場が存在しない。火山灰とともに流されてきたメタセコイヤが炭化してできた亜炭であるために、大量の凝灰岩(地元ではサバという)は廃坑の中に捨て場を設けて、現在も廃坑内に残されている。
もう一つの特徴は残柱というもので、これは一定量掘り進むごとに、柱上の亜炭を残さなければならなかった。ただ、これはその炭鉱で採掘し終えると、最後に相当量が削られて最後には随分と細いものになってしまったという。この2点が御嵩町の亜炭鉱の特徴であり、識者の意見では炭層の深さ20m程度で廃坑の高さが2m程度なら、陥没したとしても周りから崩れることと摩擦により、地表ではせいぜい数cmで納まるという。
では、今回の陥没の深さが最大3mなのが気になると思う。今回の陥没もここ数年で陥没している地域の廃坑も斜坑と呼ばれる廃坑で発生している。第一点として廃坑自体が浅いこと、そして傾斜がついた廃坑であるために残柱が北東側から南西側に圧力かかっていると考えられる。つまり、廃坑内の残柱が倒れやすく傾いているか、既に倒れてしまっている可能性がある。
今回の被害では屋外に深さ約3mの陥没が発生した。これが住居内であれば人的被害も想定されたわけである。識者には危険箇所は想定されているという。こうした危険箇所をどのような手順で陥没防止策を講じるかが、御嵩町行政に課せられている。是非とも、こんな被害が発生しながら何もできない自治体などと言われないようにしたいものである。
こちらでは、4階を超える建物の建築はなされていません。地下鉄が縦横無尽に走り、重いビルが上にある。何れを考えると恐ろしいと思います。特に我が国の首都は???と思われてなりませんが!天海さんが江戸の都市計画をしてから、数百年になりますが・・・