「願興寺」悠久の1200年

最澄縁の願興寺ブログ。2015年には開基1200年祭を予定。本堂、24体の仏像が国指定の重要文化財。

ホルモンというのは、実は御嵩のとんちゃんはだった

2013-07-13 03:49:08 | 御嵩町

御嵩町には、最近、住民の手によるまちおこしで、「とんちゃん」という豚の内臓のグルメがされ提供されている。このとんちゃんは、地元の人でも知る人の少ない面白い歴史が隠されえている。

御嵩町では、特に戦前、戦後に亜炭という石炭の1種で褐炭という石炭の中でも水の分と灰分が多く、燃料としてカロリーも質的にもそんなに高くないが、この亜炭を御嵩町で大量に産出されていた。戦前戦後という経済状況の中では安価であることで、中部地区を中心に繊維業などの中小企業や家庭用として、戦後の日本経済に活力を与えるという役割も担っていた。この亜炭鉱で多くの半島からの移住者の方々が、数多く働いていたようである。

さて、そこでとんちゃんの話に戻すと、御在売り出し中の「とんちゃん」は実はこの半島からの移住者の方々が伝えて下さったグローバルなグルメなのである。

御嵩町にあった堵殺場で働いていた人が、豚の内臓を捨てようとすると、この移住者の方々が、ほしいと懇願されたので、「ほうるもんやで(捨てるものだから)、ええぞ」と言って、移住者の方に与えたそうである。この「ほうるもん」を今では、豚の内臓料理を「ホルモン料理」と呼ぶようになったのである。カタカナ語がもてはやされた時代背景もあって、それまでの「とんちゃん」の名が消えて「ホルモン」として売り出した店も御嵩町では、出現するようになった。仏教をはじめとするいろいろな文化が朝鮮半島から伝えられたといわれているが、このホルモンもその一角を担うものであろう。今ではこの「とんちゃん」常時食べさせてくれる店も少なくなってしまったのが、残念な思いである。

こうした異文化を取り入れながら、わが国は発展を遂げてきたのである。現在のまちおこしによる「とんちゃん」の販売により、安価なホルモンを囲んでの談笑がわが町に蘇るのを期待したい。


願興寺公式サイト


慎重も進歩に繋がる

2013-06-27 18:16:14 | Weblog
今はモバイルフォーンも進化し、iphoneに代表されるようなスマートフォンも普及した。しかし、そこに大きな落とし穴があることも注視したい。銀行のような厳重なセキュリティがあるであろうサーバーすら、潜り抜けて進入されてしまう。モバイルの進化とともにアプリケーションもただ同然で使うことができる。しかし、中には悪意のあるアプリケーションもあるかもしれないし、悪意ある人間が悪意を持って利用してしまうかもしれないことも肝に銘じておきたい。

大きな問題となったボーイング787は、一度は搭乗してみたい飛行機だった。夢のような設計で、多くの日本企業も参加して、今までの常識を覆す飛行機になるはずだった。未だに乗ることのできない自分自身が非常に残念な思いである。

この飛行機は蓄電池にリチュウムイオン電池を使用していた。しかし、我が国でこの電池を使用しないように努めている企業がある。この企業は世界に冠たる企業である。我が国のトップ企業が次々に二線級成り下がっているのは、皆さんもご承知の通りである。そうした中で唯一トップ企業であり続ける企業がある。その企業の戦略をみるに実に慎重なのである。

云わずと知れたトヨタである。トヨタは重量も容積もリチュウムイオン電池よりもはるかに大きいニッケル水素電池を未だに使用している。もし、このトヨタがリチュウムイオン電池をHVやPHVに使用していたなら、世界中のトヨタ車で被害の続出が報道されたであろう。

トヨタはOSにMEはもちろんXPが出現し、どんどん便利になっていく中、旧態然とし、不便だった98を使用していたことも知られている。そして、XPが安全であると分かったときに始めてXPを使用したという。現在トヨタが何を使用しているかは、疑問であるが、いずれにしても、最新のものが最善とはいえない事は事実であったと思うが如何であろうか。

トヨタはこの慎重さで世界に冠たる企業であり続けたことは見習うべきではないか。そして、トヨタの強みは、最新のリチュウムイオン電池を使用すれば、燃費その他でよりよい性能を生み出したであろうが、旧式の電池を使用しながらも、他の企業と互していけると決断できた日々の努力であろう。

私の云いたいことは、トヨタの宣伝ではない。買い物をする一瞬、進路に迷った一瞬、立ち止まって慎重になることである。前述のアプリケーションについては、くれぐれも慎重に使用したい。日本の現政権をみても、どうも性善説には、疑問符が付くのではないかと思う。



憲法記念日

2013-05-03 09:25:56 | Weblog

今日は昭和22年に憲法が公布された記念日であり、新聞では憲法談義が紙面を賑わせている。日本国憲法が他国の押付けであるとした意見もあるようだが、「我らと我らの子孫のために、諸国民との協和による成果と、我が国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が訪れることのないようにすることを決意し、ここの主権が国民に存することを確認し、この憲法を確定する」また「諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した」とある現行憲法の前文に記してある我が国の憲法である。

私たちは戦争の恐怖を感じることなく育ってきた世代である。この憲法は起草された時代を知らない世代である。短絡的に近隣諸国から見下されたように勝手な解釈し、交戦権を保持しようなどとはもっての外の議論ではなかろうか。この憲法があってこそ、私たちは戦争の惨禍を見ることなしに生活が成り立ってきたという、恩恵を見逃すことはできないだろう。

現在の政権はまずは憲法を改正しやすくし、その後に国民主権を縮小し、国防軍を保持し、他国と対等関係に立とうという論らしい。「われらはいずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであって、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係を維持しようとする各国の責務であると信ずる」と謳った現憲法からすると、目には目を、歯には歯をと謳ってあった古き短絡思想の言葉を思い出すような現政権与党の改正案である。

現憲法の理想を実現するのは、実に長きに亘り意志の持続が必要なものであろう。再び戦争の惨禍が訪れることのないようにするとは、国民の安全と生存を保障する我が国の責務であると信ずる。憲法記念日に当たり、現政権が改憲を目指すのであれば、現憲法以上に国民の主権を、国民の安全と生存を、国民の福利を目指したものでなければならないと考えて欲しいと思う。

牡丹もまだ咲いています。お時間があれば願興寺へお越しいただきたいと思います。

願興寺公式サイト

牡丹が見ごろを迎えました

2013-04-27 10:36:34 | 願興寺

このブログで以前、願興寺の紋章という表題で蟹牡丹の由来をお伝えしました。伝教大師由来の当山に九条家の出自である一条天皇の皇女であるといわれる行智尼が尼が池から蟹に囲まれて金色に輝く小尊像が顕現し、本尊薬師如来の胎内に納めたのが、当山蟹の由来であり、九条家の紋章が牡丹であったというの牡丹の由来でり、当山が牡丹寺といわれる所以であります。

そこで、昨年町の有志の皆さんが境内に牡丹を植えてくださり、今、見事に咲き誇っています。幸か不幸か今年は、天候不順でここのところの寒さが命短き牡丹の花の観賞を長引かせてくださっています。所狭しと咲き誇っている牡丹の花。こうした歴史を感じながら、多くの方々に味わっていただきたいと願っています。

願興寺公式サイト

牡丹寺の面目躍如

2013-04-18 06:05:01 | 仏教

願興寺の紋章は、天皇家と同じ菊と蟹牡丹であり、それについては以前に「願興寺の紋章」ということで、以前にお伝えさせていただいている。昨年度には、地元の方々がそれに因んで境内に牡丹を植えてくださった。昨日よりその蕾がちらほら開き始めて、今週末あたりから大いに楽しめそうである。その蕾の様子を昨日twitterでお知らせしたところです。

願興寺公式サイト



中山道みたけ館の企画展

2013-02-26 16:34:46 | Weblog

中山道みたけ館を訪れたら、御嵩町出身の挿絵画家・漫画作家の田中比左良の企画展「比左良のモダンとユウモア」を行っていた。期間は2月23日~4月7日までで、比左良は当時流行のモダンを意識した独特の画風で、女性美を追及する姿勢から、今日では「近代モダンのさきがけ」とも云われている。

今回の企画展では、大正時代から戦後にかけての変動の時代に活躍した田中比左良について、彼の目にどのようにうつりゆく時代が見えていたのかを重視したという。彼の「昭和モダン」と彼の感覚「ユウモア」を感じていただけたらと思う次第である。

田中日左良企画展案内

初薬師(厄落し)開催

2012-12-15 13:47:23 | 仏教

今年も残り少なくなりました。充実した日々をお暮しの方もあれば、反省すべきことの多かった方もあったかと思われます。でも、今年がどうであれ、新しい平成25年は皆さまにとって、良き1年になることを願っております。

願興寺では、新しい年を希望をもって迎えると願う皆さまのお力添えとなるべく、1月8日の薬師縁日に初薬師護摩供祭と名付け、合格祈願、家内安全、健康祈願等々、皆さまの祈念を薬師如来さまにお伝えし、皆さまの新しい一年に貢献したいと思っております。

ご希望の方には、願興寺(0574-67-0046)までお申し込みください。私どもとともに新しい年を希望をもって迎えようではありませんか。詳細は願興寺公式サイト

願興寺住職 合掌

岐阜県博物館の企画展

2012-10-05 17:55:45 | 仏教


只今、岐阜県博物館にて「飛騨・美濃信仰と造形」という企画展が開催されている。岐阜県中の信仰にまつわる展示がなされており、願興寺の阿弥陀如来さまも展示されている。願興寺には現在、阿弥陀如来さまはいらっしゃらないが、台座と光背は残されており、先日の勉強会ではその台座と光背を観察させていただいた。

明日は県博物館を訪れて、この企画展をじっくりと拝観させていただこうと思っている。一つの楽しみにこの阿弥陀さま…今までにそのお背中を拝したことはなかったが、ひょっとしてそのお背中を拝することができないかとひそかに楽しみにしている。

皆さんもこの運慶作とも伝えられている阿弥陀如来座像、県博物館でじゅっくりご覧になられては如何でしょう。他にも県内から多くの展示があり、きっと皆さまを感動させていただけると、期待している。

<"http://www.gifu-kenpaku.jp/toppics/9022">岐阜県博物館企画展「飛騨・美濃信仰と造形」


願興寺仏像から学ぶ

2012-08-19 16:34:53 | 願興寺

来る9月8日(土)午後1時30分より、中山道みたけ館1Fの研修室にて「願興寺仏像に学ぶ」と題した講座を御嵩町郷土文化を学ぶ会の主催(後援:御嵩町文化協会)で行うことになった。

本尊の薬師瑠璃光如来は秘仏にて御開帳以外に拝観はできないが、日光・月光両脇侍、12神将、四天王と眷属すべてを有し、美濃の正倉院と云われるだけの堂々とした至宝を拝顔できる数少ない寺院である。他にも法華経を説法中と目される説法印を結び普賢・文殊両菩薩を従えた至宝中の至宝と称えられた釈迦如来、運慶作と伝承される阿弥陀如来の座像や立像(座像は岐阜県博物館での企画展「飛騨・美濃信仰と造型」に展示される予定でしばらくはお留守である)ともお目にかかることができる願興寺である。

今からお話しする内容を吟味しているが、短い時間でどれだけお伝えできるかが心配である。講座の後で、願興寺にて住職が法話を含めた案内で補って下さるであろうことを願ってやまない。

開基1200年を迎える願興寺の平成の再興に一役が担えたらと思う次第である。拝観料の500円だけをお持ちになって、多くの方々にご参加願いたものである。

また、10月、11月、12月の第2土曜日には、3回に亘って大寺記の解読書を編纂された安藤弘文氏による「大寺記を読み解く」と題した講座で大寺記の解説をしていただこうと思っている。これについては、また後ほどご連絡をさせていただくつもりでいる。これにも多くの方々にご参加いただければと思っている。こちらの参加は単独でも受付けようと思う。

願興寺重文仏像群

福島原発もオスプレイも検証されぬままに

2012-07-27 06:48:57 | Weblog

原発事故の原因や責任もオスプレイの安全性も検証されぬままに、原発は再稼働され、危険な飛行物体は人口過密地帯に配備が完了してしまった。そんな中で今年も恐ろしき原爆が落とされた8月6日と9日が近づく。

願興寺で生まれたという可児才蔵は福島正則とともに広島に移り住んだ。広島に移り住んだ才蔵の子孫が灼熱地獄の被害を被ったと思うと、何とも言えぬ感傷に囚われてしまう。

広島だって、長崎だって今や木々が茂り、緑豊かになったではないかと言う人もいるかもしれぬ。しかし…何かが違うような気になる。水俣病の認定申請ももう打ち切らるという。

結局、誰も責任を取れないのではないか。責任を取れるだけの力量にかけるのではないか。せめて、祈ろう6日は広島に移り住んだ才蔵の霊を弔って…核分裂の恐怖から人類が脱却出来ることを願って…

願興寺公式サイト