女として大阪で暮らす。(朝鮮婆ではないよ)

自然を愛する人です。
そして動物を愛する人です。
植物も大好きです。
ニコ生すき、日本の糞ばばですよ。

しのぶの100のお話(9)素敵なおふろやさんの話。

2011-02-01 | 日記
ある猫町猫番地22の2に、猫招き温泉がありました。
そこのご主人は、優しいお湯を沸かす名人でした。

いつも、この猫招き温泉に来るお客さんのために、優しい木の燃料をつかい、
真心こめて、愛をこめて、一生懸命にお風呂をわかしていました。

猫町のおおやさんでもありました。
そのお風呂屋さんでは、いつも素敵な人々がたくさん訪れました。

「おとうさん、あったまりました、ありがとう?!」
「このやさしいお湯はなんなのです?」

おとうさんは、わらっていました。
毎日風呂の薪を一生懸命、探してはひとつひとつあつめて、お風呂をたいていたんです。

今の時代、簡単にガスでしたら楽でしょ。
おとうさんは、みんなのために、苦労して体を、痛めてまで薪をあつめたんです。

やさしいまろやかな湯は、たぶんお父さんのすごい苦労と、やさしさとほんのすこしの、
おもいやりがこもっている薪を、つかったからです。

ほんとうは、たくさんのみんなの心が、お父さんのきもちにとどいて、
しんどい仕事を、たのしくさせていたんでしょう。

「この町は、いい町だよ。だってさあ。この温泉にわざわざきてくれるんだよ」
内風呂はあるんですが、やわらかな、暖かい、ゆるりとした温泉は芯まで温まりました。

お父さんのこの温泉は、本当にお父さんの代で、このやさしいお湯は、おわるそうです。
残念におもったわたしは、たぶんいつまでも、この町にいる人々がついでほしいと、
せつにねがったのです。

ある日、一人の若い青年がこの町にたずねてきました。
「この温泉は、死んだ父さんが大好きだったお湯なんだ、のこしたいのです。弟子にしてください」

おとうさんは、すこしこまったけれど、すこしうれしかったのでした。

おわり。

最新の画像もっと見る