見出し画像

もんく [とある南端港街の住人になった人]

クールビズで2℃の根拠

クールビズ着用、今年もしてますか?

みんなでクールビズを着て、エアコンの設定値を2℃上げて二酸化炭素排出量を減らして温暖化を防ごう!、と言うことです。クールビズ推進の運動が始まったとたんに言われた批判は「二酸化炭素削減量の根拠があいまい」「計算がおかしい」と言うばかりでした。

でも、誰も「クールビズで本当に設定を2℃上げられるの?」とは言ってなかったようですね。そこ、疑問に思ったことないのかなあ?


確かにネクタイ外すと少しは涼しいけれど、それで「2℃」上げて同じように仕事できるんだろうか? 我慢しなければいけないだけじゃないの?って本当は思ったりしてない? だいたい環境とかエコとかその他世の中の何かのためにって言うと「我慢」とか「ちょっとした努力」とかが必要って印象があるでしょう。

「2℃」って聞いて心の中では「2℃我慢かあ~」って思ってる人多いと思うんだよね。普通に考えて。言わないで素通りするのが日本らしいのだけれど。


などと考えていたところ、建築環境工学のレポートする内容の中に「温熱環境指標」と言うのがあってこれは簡単に言うと「快適さ」を示す数字。


まあ、そんなのがあったので適当な値を入れてクールビズの効果を早速計算してみたのが上の表なわけだ。


この表では事務所でただ座っているだけを想定しているのだけれど、スーツにネクタイとクールビズが同じ快適さになるにはエアコン設定値を「2.5℃」変えないといけない事になっている。(同じ温度だとスーツはPMVが+1.05だから暑すぎる。)

なるほど、クールビズ着れば設定値を「2℃」上げても快適さは同じってのはこんな計算からわかったのかも知れないな。新発見だ。


つまり「我慢は必要ない」と言う嬉しい結論なのだね。



一応これがどんな数字なのかと疑問に思う人のために補足しておきましょう。
今回は「温熱環境指標」と言うものの中のPMVと言うのを使ってみた。これは温度とか湿度とかいろいろなのを測っておいてそれと人間が「暑いなあ」とか「寒いなあ」とか言うのを数字で評価したり、こんな服だとどのくらい熱が逃げるとかも総合的に考えて計算式にしたものらしい。

考えた人はすんごいたくさん、すんごい長い時間の実験をやったのだろうと思う。頭が下がります。だから今は簡単な測定器で測ったら一発でわかるのもあるんだって。


ちなみにPMVは±3の範囲で中心の0(ゼロ)が一番快適で、推奨値は±0.5の範囲。

コメント一覧

ぴょん
なるほど…そうだったのですね。
トラックバック、ありがとうございました。こちらからもと思ったのですが、ちょっとこちらからの設定方法がよくわからずできないままで申し訳ありません。非常に興味深いお話でした。
環境とかいうと、本当に我慢…とか、がんばる…という言葉になりがちですが、そこに”ちょっとだけ”を上につけられるくらいが、よいのではないかなぁと思っていたりしています。あまりガンガン?いくと長続きしないと…。微妙な限界…を教えていただき、すごくおもしろかったです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「いろいろ雑記帖」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事