最後に食べたいのはKFC

朝7時30分の約束の時刻よりちょっと過ぎたところで
いつの頃からか意味不明のアルファベット3文字の店になっていたこの店、
KFCに到着。(たぶんもうひと昔もふた昔も前だったろうが)
店の名前は変わっても変わらないのは赤と白の配色、
それにあのヒゲおじさんの顔イラスト。

子供の頃に作って褒められたチキンを
一生涯にわたって何個揚げたかわからないが、
想像もできないほどのその数と労力には頭が下がる。
こうしてこのマレーシアでも
見ず知らずのネパール人やバングラデシュ人たちのために
その技術が活かされていると思うとさらに頭が下がる。

と、そんな事はどうでも良いが、
今日はこの4月に契約満了にて帰国するネパール人作業員のために
KFC朝食セットで軽い朝食パーティーなのだ。
集まるのは関係者約30名。

朝食セットにはチキン2個、チキンライス、サンバルソース、
それにコーヒーと交換してもらったペプシ。
小さな車で運ぶには結構な量だった。

それにしてもマレーシアKFCの店員、
手際が悪い。恐ろしく悪い。
30セット注文して、前日にも再確認に来ているのに
いつもと同じ数しか仕込まなかったのか、チキンが10セット分足りない。
箱に入れて初めて気づいたのか、15分待ってくれと言う。
そう言う事もあろうかと、7時30分と早めに設定しておいたのが当たった。
それと、小さなビニールパックに入ったケチャップを
台に無造作に何個も置いては落とす。
拾ってはまた落とす。
衛生的にも問題ありそうだ。

と、まあ、話が横道に逸れたが、とりあえず8時には全部車に積み込んだ。


最後の食事にKFC、そんなので良いのか？
と言われるかも知れないが、これ、最上のものなのだ。
例えこんな問題ありそうな店から出たものでも、そうだ。

なぜなら、彼らの出身地であるネパールの田舎にはKFCみたいなものは無い。
彼らがマレーシアに来て間も無く、予定にない残業をしもらったお礼に
何が良い？と尋ねたが答えは無かった。
仕方なくKFCを買って配った。
チキンなら宗教的に誰でも食べられるし、好き嫌いが出にくい。

その時点で彼らはKFCと言うものの存在を知らなかったのだ。
それに限らず、ファストフードと言う存在も知らなかったかと思う。

それから2年、彼らはスマホを買えるようになり、
きっとKFCもたまには食べていた。
少ない給料から仕送りし、少しづつ貯めたお金でKFCも食べただろう。
ご馳走なのである。
何度も言うが、あんな店員教育の悪い店から来た物でも、だ。

と言うわけで、帰国前最後の小パーティー、選択肢はKFCだ。


今日は朝から良いKFC朝食パーティー になった。




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