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もんく [とある南端港街の住人になった人]

つぶあんを探して

つぶあんという名前は団子3きょうだいからきている。2015年3月1日に3匹生まれたが、未熟児で見た目の可愛くないきょうだいだった。だから団子のきょうだいだった。1匹は目も開かないうちに死んでしまい残った2匹がつぶあんときなこだ。

供養ということでないが、つぶあん団子を買ってきて食べようと思って出かけた。1軒目のスーパーでは売り切れ。2軒目でもなぜかつぶあんだけ売り切れ。3軒目はコンビニで、もともと団子自体の棚が狭くて売り切れ。昨日はそこで諦めて今朝は別のスーパー(4軒目)に行ったがそもそもつぶあん団子は置いていない。コンビニ(5軒目)、置いてない。次はドラッグストア(6軒目)だがここにも置いていない。別のコンビニ(7軒目)も置いてない。仕方ないので昨日の2軒目スーパー(延べ8軒目)に行って入荷したかを確認しところ、やっとあった。


昨日、ペットの出張火葬をしてくれる会社に電話したところ、今朝の9時から9時半に来てくれるという事だったのでお願いした。



軽のバンの荷台に小さな火葬炉が据え付けられていた。丁寧に手続きを案内された後、箱に入っていたつぶあんの身体を炉のトレーに横たえてから線香をあげた。炉の蓋が閉じられると火が入った。車の天井に開けられた穴が煙突になっていてそこから薄くオレンジの炎と薄い煙が上がった。焼き終えるまで40分程度、何もすることがないので家の中にいても構わないと言われたが車の前で話していて過ぎた。



炉が開くと白い骨がトレーの上にバラバラになって散らばっていた。トレーの鉄のフレームはまだ赤熱したままだ。10分ほどすると冷めて鉄箸で骨を拾ってくれた。頭、顎などいくつか大きくて重要な部分がステンレスのトレーに乗った。



その他の骨は主要な部分を拾って骨壺に入れた後に刷毛で集められた。やり方は人の火葬と同じだ。


朝淹れたコーヒーのあまりにミルクを足して温め直し、つぶあん団子を食べた。


つぶあん、見つかったよ。
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