もんく [とある南端港街の住人になった人]

サンクチュアリ計画なんて

新聞によればKLの郊外にオランウータンのためのサンクチュアリを作る計画を政府が案出しているそうだ。これには自然保護のNGOが反対意見を出している。

もともとKLのあるマレー半島にはオランウータンはいなくてマレーシアでオランウータンがいるのはボルネオ島(インドネシアではカリマンタン島と呼ぶ)だけだ。だからサンクチュアリと言ってもそれはいわゆる自然保護区ではなくて人工の森と言うことになる。NGOによればそんな人工の森を作ってもどうせ動物園みたいなものだし、エコ・ツーリズムに開放しようとしても本当の森じゃないから価値は低いだろうとのこと。確かにそうだ。オランウータンのためのサファリパークみたいなものではそれほど注目はされないだろう。世界にはもっとすごいものがたくさんあるのだろうし。

自然保護なんて言うと聞こえは良いのだけれど、マレーシアの場合パーム油の輸出に頼っているわけだから自然保護区なんてものを作ることによって逆に天然の森を切り開く口実にもなりかねない。これは日本での国立公園と同じで、国立公園なんてものを設定してしまったためにその境界の内は守る力が働くけれど、その外側は何をしても良い場所になってしまった。だからそれは結果的に自然を保護したのかそれとも保護しなくて良い場所を設定して破壊活動を認めてしまったのかと言うことになる。

それは境界に接している場所ばかりではなくて自分の住んでいるところも同じことで、家の周りを自然環境の1部分だなんて誰も思わなくなっている。逆に休日になると国立公園のような特別な場所に移動してそれを満喫するだなどと言う。よく考えてみると自分たちがやっている事の意味がわからない。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「まさか、マレーシア!」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事