80代の母は毎日それほどやる事が無い。だから庭先の草むしりに精を出す。そして隣家の庭の雑草まで気になっている。
さて、9月後半。これから日本は秋というシーズンで、気温が低くなると植物も夏の装いから秋のそれに変わる。青々とした葉は枯れた茶色に変色し、咲いていた花は実になったり穂を付けたりする。箱根の仙石原というところではそれが一斉に起き、広い野では刈られずに伸び伸びと育って人の身長を超えるまでに育った雑草が秋風に穂を靡かせる。
その雑草にはちゃんとした名前があると記憶している。確かススキとか言った気がするが、何しろそれは大したもので、風が吹くとまるで海の波のようにすら見える。それはそうと、雑草が気になる母はその箱根のボウボウに伸びた雑草だけはなぜか気にならないと見えて、それを見に行くのが好きだった。
わからん。あの箱根の雑草と家の庭の雑草の扱いの違いは何なのだ?