日本人の勤勉さと美徳を象徴する言葉だ。
日本にはこれを実践する有能が人がたくさんいる。
有能な人は仕事が速い。与えられた仕事はすぐに終えてしまう。それが終わると明日の仕事の下準備をやる。下準備ばかりか明日の仕事までやってしまう。それでも足りないと他人の仕事を手伝ってやる。それでもまだ余るときには机の整理やら掃除やらまでしてしまう。大変に有能だ。
それとは別に「Just in time」と言う有名な言葉がある。
トヨタの生産方式から生まれた言葉で「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産したり供給したりするのが一番効率が良いと言う意味だ。
この言葉、日本人的美徳に反していると思わないか。
でも何故かこの2つの言葉は日本では普通に共存しているように見える。
有能な人は「必要じゃないものを、必要となる前に、必要以上に」供給してしまう。
それって有能なの?そうじゃないの?
有能な人にはこんな問題がある。
日本的有能な人の作業は「手待ち時間」(作業と作業の間にできてしまう暇時間のこと)が把握し辛い。だから有能な人の仕事の内のどの部分が価値を生み出しているのかも把握し難い。無駄な事やっていてもわからないのだ。
有能な人は早く家に帰って人件費を減らす方が全体としては収益に貢献するかもしれないのに無駄な時間分の給料も貰っていくから実害もある。日本のホワイトカラーがブルーカラーに比べて、そして欧米のホワイトカラーに比べても生産性が低いのはこのためだろうか。日本的には有能だからこそ世界的には生産性が低い。
だから「明日できる事は今日やるな」が正しい。
仕事が終わったら「終わりました」と言い、次の仕事をしたければ上司に言ってからにする。
仕事が無いようなら何もしないで「待ってる」意思表示をする。
すると上司かスタッフがその暇を埋めるための「価値ある」仕事を持ってきてくれる。
そうして、どうしてもやる事が無い場合には早く帰る。その時間を消費の時間にあてる方が世の中の景気にとってプラスになるはずだ。
さあ、今日からは
「明日できる事は今日やるな」と言おう。
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