もんく [とある南端港街の住人になった人]

お茶を注文する

マレーシアは多民族国家なので全体の数としては多くはないが中華系の人たちがいる。しかしながらお金儲けがうまいのは中華系と言われていて、先の首相がこの国の本当の主人は未だに彼らだと発言するほどだ。

ところで、中華系がいるので中華の食事もここでは普通にできる。中華系だけの集まったホーカーズのようなものがあって、時々そこで食事をする。ホーカーズだから屋台がたくさん集まっているところで、そのうちのどこかで食事を注文して適当なテーブルで食べる。すると飲み物の注文を聞きにくるのは別のお茶屋の店員なので彼に注文することになる。

その彼はほとんど中国語しか話せない。年齢は多分20代前半。中華系なのにちょっと色が浅黒くて、粗野な感じがする。Tシャツもそんなにキレイではない。客の去ったテーブルをかたずけて、テーブルを拭く。そして新しい客にお茶の注文を聞きに行く。とてもよく働く。

最近はそんな彼にお茶を注文するのが楽しみになっている。なぜならその笑顔が良いからだ。顔を合わせると、言葉は通じないが"いつものアレ?"と言うような感じで聞いてくる。

お茶の値段は1杯たったの0.4リンギット(12円ほど)。この値段は他で注文する値段の半額以下だ。この1杯の中に彼の笑顔代はどれだけ入っているのだろうか? Pricelessだろう。


仕事と言うのはお金儲けと言う目的が第一に来るのだけれど、仕事は本来自分のものではない。他人からどうやってお金を貰うかはスキルだけれど、何を提供できるかと言う根本的な問題に対しては大学に言ってもその表面のことしか教えないし、誰も知ろうとは思わない。

だから彼の0.4リンギットのお茶には大きな価値があるのではないだろうか。
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