もんく [とある南端港街の住人になった人]

人生相談 その1

台湾においても仕事場での人間関係は日本と同じようで、かなりWetな雰囲気が漂う場面があるものだ。


台湾では上司は「絶対」であるようで、傍(はた)から見ていると部下が上司のちょっとした言葉に翻弄されながら仕事している姿はちょっと同情を誘うものがある。日本の会社でもそれは同じだけれど、台湾ではそれ以上に人を大事にしないような感じがあって厳しいのだろうなあ。


今日も一緒にやっている男の子(と言っても20代、台湾人)から相談したいことがあると言われてきいてあげたのだけれど、やはり上司との人間関係についてだった。

意味深な物言いで話は始まった。
「もしUさん(私)があの人と一緒に仕事をしていたらどう思いますか?」
あの人とは彼の上司で、もちろん台湾人。上司と言っても30代だから見た目に威厳があるわけでも無い。それに私はその上司とは以前に仕事をしているのでどんな人間かはよく知っている。欠点も含めて。


相談の彼はその上司が気に入らないらしい。
「私は仕事がたくさんあって忙しいのに上司は突然電話で別の仕事をしろと言います。私がその仕事をしてさらに忙しくなっているのに上司が仕切っているあちらのグループにはたくさん人がいて仕事をせずに無駄話ばかりしています。」

確かにその上司には人を管理する力量がそれほどあるとは私も思わない。
彼は続けた。
「来年、私はこの会社に居た方が良いか考えています。」


私は言った。
「君はまだ後2年ここにいるべきだと思うよ。」


続く
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