もんく [とある南端港街の住人になった人]

自分の機能限定

今やっている台湾での仕事、そう気に入っているわけではないです。
いやいや、全く好きではないと言った方が近い。
その理由はまたどこかで別途書くかも知れないけれど、ここでは横に置いておく。


こんな仕事でも長くやっている人もいる。
もちろん辞めていく人だって多い。
自分の場合、後者の人の方の気持ちの方が前者より分かり易い。


しかし最近長く続けられる人の事が、やっとわかってきたように思う。
長続きするひとは長続きできるコツを知っているのではないだろうか。

結論から言えば「自分の機能限定」であると思う。


そう言う人達が習慣にしている事はこんな事だ。
目の前に転がってきてしまった仕事についてまずこう考える。
「この仕事を誰に回そうか?」

無理して解決策など考えなくても良いのである。
「これは製造過程に問題があったのだから作った工場に対策願います。」
「これは設計に問題があるので設計部門に対応お願いします。」
「これは仕様外ですから営業に連絡しておきます。」
「この部品が無いのは調達のミスですから送ってください。」
こんな感じでもどうにか仕事は進むらしい。これは楽だ。
部品の納期が遅れても、
「早く送るようにフォローお願いします。」
等と上司にメールするだけで済む。


そんな人は「筋を通す」と言うやり方も好きだ。
「この報告書は本来直属の上司を通してあそことあそこに回すのが筋だからそうしてください。」
「この判断は本来あそこの部門がする事だからそちらに連絡して回答を待ちましょう。」
それは確かに正論なので批判する事もできないが。


しかし、そう言う仕事をその会社の人が皆でやっているとけっこう困る。
定義されていない問題に誰も対処も判断も下さない、つまりフリーズ状態になる。


問題が起きても誰も何もしない。自分の仕事ではないから放っておく。だから仕事は万年遅い。
いつしかそれが普通になってしまう。とうとうそれが問題になってくると、半年に一度定期人事異動でそれをリカバーするための余計な部門や担当者と言う地位が用意されるようになる。

こうなるともう末期的症状だ。
「我々は困難な仕事を日々コナしているのだ。時間がかかっても仕方ない。購入元を叩いて叩いて遅れた部品を調達し、少々お金額が張っても部品を空輸するのだ。そのためには残業して残業して働き続ける必要がある。」
全社公認の無駄対策なのか、もうそれ自体が無駄なのか判断ができない状態だ。


いいや判断できないのでなくて、しないのだ。
何故なら、
「その判断は私がすべき仕事では無いから。」
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