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もんく [とある南端港街の住人になった人]

箱に入ったピアニカの理由

去年買ったこの家を塗り直す為に今日、家の周囲全体に足場が取り付けられた。来月、1週間ほど経った後に塗り直しが始まる。


さっきたまたまある記事で楽器の演奏をするとボケないと書いてあった。それが正しいかどうかはこの際どうでも良い。その記事の頭からすぐのところにこう書かれていた。「私も趣味でピアノを弾きますが、当初はどうしようもなく下手でした。逆にそれが悔しくて、必死に練習したのです」へえ、できない人でも必死でやると趣味と言えるほどにできるようになるものなのか? それはどうやったら良いのだろうと考えた。続きを読む。

でも、すぐ次の文でガッカリした。「実は子どものころに少し習っていたのですが、シャープ(#)やフラット(♭)のある曲がまったく弾けず、早々にあきらめていました」酷くガッカリした。なんだ、全くゼロからではないのだ。終了。

そういえば、先日あの活断層ハウスで壁を壊している時に1階にあった荷物を2階に退避させていたらそこにあったある物が目についた。それは古びた細長い段ボール箱に入っていて「日本楽器製造」の印刷がしてあった。果たして中身は青いプラスチックのケースに入ったピアニカだった。ピアニカ本体とその横に蛇腹のチューブが一緒に入っていた。そのまま閉じて置いてきた。

あのピアニカ、幼稚園の時か小学校低学年の時に使ったような記憶がある。使った記憶はあるが、何をどう演奏したかの記憶が全く無い。思い出せない。あの頃の事だから一人で演奏、つまりソロで演奏してそれだけで音楽として成立するような事はしなかっただろうとは思う。皆で並んでしたのかもしれないが、記憶が蘇って来ないのだ。そもそも皆で演奏していた時に自分はちゃんと音を出せていたのだろうか? いくつもある白と黒の鍵盤に片手の5本の指を置いていただろうか? 今鍵盤に指を5本置いて少しでも何か音を出すというのは全くできないが、あの頃そんな事をしただろうか?

そう思うと、もしかしたら演奏するふりだけしてただ行進したり立っていただけだったのではないだろうか? そうするとあのピアニカが箱に入っていたのは大切にしていたからではなくてただ使わなかったからではなかったか、とも思えてくる。
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