もんく [とある南端港街の住人になった人]

海外派遣で人材は育つか

若手社員を海外へ 国際競争で危機感持つ日本企業 グローバル人材急ぐ 産経新聞 11月19日(土)13時25分配信(←クリック)

若手の海外派遣「義務化」 伊藤忠など グローバル人材育成 フジサンケイ ビジネスアイ 11月18日(金)8時15分配信(←クリック)


上のようなニュースは日本ではどう捉えられるでしょう?

今の時代の流れからすればこうした動きは当然かなと思います。こうして国際派の人材を企業が育てて国際ビジネスを伸ばしていく方向へ行くのでしょう。多少会社員には厳しくなりますけれども仕方ない動きなのではないかと考えます。


ただ、2点ほど思うことがあります。
(1)経験主義
こうした動きを日本人が自然だと考えるのは仕事は経験主義の上にあると考えるからです。何も事前に知識がなくとも、多少時間がかかっても人をそこに放り込んで数年すれば経験を積むことができて一端の人材になるはず、と言う考え方です。習うより慣れろ。技術は学ぶより見て盗め。そんなやり方が日本人には文化として普通なのです。

それで済む事もありますが、果たしてそれだけで全て済むものでしょうか?

海外に放り込まれると言ってもそこにはきっと先輩がいます。日本企業の場合は特にあまり日本人が行きたがらない地域には主のようにずっといる先輩がいるでしょう。その人の経験はどう受け継がれるでしょうか? 経験上、そこで長くやっていけるからと言って、それが本社から評価されているからと言って本当にそれが最適なやり方なのかどうかは議論の余地が無いではありません。正直言って大丈夫かな、と思うこともあります。さらに、上手くやっていると言うのが、"日本人社会の中で"と言う注釈付きであればなおさらです。

経験に基づくものも必要でしょうけれども、きちんと体系的に学んだり研究すると言う視点が日本には欠けている可能性が高いと思うのです。「グローバル人材」の定義とはいったい何なのでしょうか。

(2)終身雇用と自前主義
日本の会社は"人材を育てる"事に積極的です。これは育てた人材がその後もずっとその会社にいる事が"今でも"前提になっていることを示します。こうして育った人材がずっとそこに居て将来の会社の戦力になってくれる事を期待してると言うことです。

逆に見れば、社員は従順で文句も言わず、会社の方針がこうだから仕方なしにでも海外で数年間は我慢しようと言う人が重宝されます。大学を出ても専門知識に秀でている自信家より従順なバカの方が良いわけです。

さらには、もし仮にそのグローバル人材に近い人間が既に社会にいて活躍できる状態であったとしても日本企業はその人を高いお金を払って採用するより素人の若手を自ら養成する方を選びます。どちらが良いかはもちろん企業と国の文化にもよりますが、こう考えて行くと目指す"グローバル"とこうした動きの相関関係はどうなるのだろうと感じます。

こうした自前主義がグローバル化をどう推し進められるのか、私にはわかりません。グローバル化がグローバルにお金を集めると言うだけならそれでも可でしょうが、もしそうでないならグローバル化するための方法論も先にグローバル化するべきではないでしょうか?
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