もんく [とある南端港街の住人になった人]

いつまでも上だと思うなよ

大前研一のコラムに「アジアでも後れを取る日本は、台湾に学ぶべき」と言う面白いタイトルが出ていたので久しぶりに読んでみた。

デロイト・トウシュ・トーマツがまとめたアジア太平洋地域の“技術系”高成長企業500社ランキングによれば、上位500社のうち日本企業は46社(去年より3社減)がランクイン。
しかし順位で見ると1位:台湾(99社)、2位:中国(97社)、3位:インド(71社)、以下、韓国、オーストラリア、そしてニュージーランドの後塵を拝し参加9カ国中で7位に落ちた。

大前氏が注目するのは、人口2300万人しかいない台湾が10億人の中国をも抑えてトップであると言う事。

台湾に何年か居た身としては確かにそれはすごいと思いつつも、"やっぱりな"とも思える。生産機械についてはネジ1本でも日本から輸入しなければならない事もあるにしても、台湾人はそれを物ともしないほど勉強をしているのを知っているからだ。

30台までのエンジニアならそのほとんどが仕事が終わってからさらに夜間や休日開講の大学に通っている。試験前になると目を腫らして仕事にやってくる。良い意味でも悪い意味でも台湾は日本を上回る学歴社会であって、卒業証明書が物を言うからだ。

彼らはその卒業証書と仕事での実績を持って3年後に転職する。そうしなければ給料は永遠にそのまま上がることはない。同じ仕事をしているならば給料は同じままと言うのが普通だ。卒業証書にどの程度実際の効果があるかと言うと、給料が2倍以上になることもあるからこれはそれをして転職しない手は無い。

こう言う状態を日本人から見ると、仕事が詰まっているのに残業しないとか仕事を覚えるとすぐに転職してその甲斐が無いと言うように見える。だから日本人から見ると台湾人はダメな人でしかない。実際に「そんな事やってて何になるんだ」とか「こいつらは.....」とバカにするように言っていた日本人エンジニアの事を思い出す。それは1人や2人のことではない。


けれども、その結果はどうだったか?

デロイト・トウシュ・トーマツのレポートがその1つの結果であると思う。
大前氏の言葉を借りるまでもなく、これから日本人はどうやって生きていくかを考え直すべき時に来ているのだと思う。それも早急に。



このままだと15年か20年後に子供たちにきっと言われる事だろう、「お父さんたちはあの時何をしていたの?」「あの世代が安穏として何もしなかったせいだ」と。
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