今まで聴いたアルバムで、それをライブアルバムに限定してみると最も多く聴いたアルバムが、浮かび上がってくる。中学生時代から何回もレコードの上に針を載せてきている。その針を載せる時の心の高揚感は、何年たっても変わらない。
還暦を過ぎたら今でも、昔ほどではないが時々聴きたくなるアルバムだ。そのアルバムとは、ローリングストーンズのゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウトというライブアルバムだ。このアルバムはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで1969年11月27日と28日の2晩に亘ってのライブレコーディングである。
このアルバムのジャケットは、チャーリーワッツのジャンプである。しかもギター2本持っての大ジャンプ!!そのわきにロバが一頭、チャーリーのドラムを背中に積んで、首からはギターを1本下げて歩いている。
これから2人(?)で、、じゃなく、1人と一匹でライブ会場に、いざ出陣といういで立ちである。本当に楽しいジャケット写真だ。
今回の文章を書きながら、久しぶりにレコードに針を落としてみた。
出だしが、かっこいい! 妙に落ち着いた感じでのスタートである、ジャンピングジャックフラシュだ! でもイントロのエッジのきいたギターの刻むリズムが最高のグルーブを作り出していく。
2曲目の”かわいいキャロル”はチャックベリーのロックンロールだが、ストーンズも負けじとロックンロールしている。キースのギターが素晴らしい。
そしてもう1曲、チャックベリーの曲が入っている、8曲目の”リトル・クイニ―だ。この曲も2曲目と同様に、ロックンロールの何とも言えないグルーブ感を表している。ビル、ワイマンのベースも光っている。
このチャックベリーの2曲がこのアルバムの牽引力になっているが、2曲とも、ただ突っ走らない少し抑えた演奏になっていて、それがまたこのアルバムの心に届く重たいリズムに繫がっているように感じる。そのリズムが自分には凄く心地よい。
4曲目の”むなしき愛”はブルースマン、ロバートジョンソンのバリバリのブルースだが、ストーズなりに、ブルースしていて好感がもてる。
ここでの、ミック、テイラーのボトルネックギターは流石である。ギターが泣いている。
このアルバムのハイライトは、
ここでもミック、テイラーになってしまうが、5曲目”ミッドナイトランブラーと6曲目”悪魔を憐れむ歌でのギターである。高校時代、ディープパープルのリッチーブラックモア好きの友達に、ストーンズを聴かせたとき、ロックンロール曲を聴いたときは、(なんだ、ギターソロが短いなあ、、)ってガッカリしていた友達が、この2曲を聴いたら、(リッチー以上だ!)っと感激していたことを思い出します。
ロックする楽しみが、心にしみる一枚だと思います。
このアルバムは私の大切な宝物です。