音楽の部屋

音楽好きの独り言です。気楽にご訪問お願いします。

ローリングストーンズ(2)

2023-12-26 06:53:37 | 日記


今まで聴いたアルバムで、それをライブアルバムに限定してみると最も多く聴いたアルバムが、浮かび上がってくる。中学生時代から何回もレコードの上に針を載せてきている。その針を載せる時の心の高揚感は、何年たっても変わらない。
還暦を過ぎたら今でも、昔ほどではないが時々聴きたくなるアルバムだ。そのアルバムとは、ローリングストーンズのゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウトというライブアルバムだ。このアルバムはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで1969年11月27日と28日の2晩に亘ってのライブレコーディングである。

このアルバムのジャケットは、チャーリーワッツのジャンプである。しかもギター2本持っての大ジャンプ!!そのわきにロバが一頭、チャーリーのドラムを背中に積んで、首からはギターを1本下げて歩いている。
これから2人(?)で、、じゃなく、1人と一匹でライブ会場に、いざ出陣といういで立ちである。本当に楽しいジャケット写真だ。

今回の文章を書きながら、久しぶりにレコードに針を落としてみた。
出だしが、かっこいい! 妙に落ち着いた感じでのスタートである、ジャンピングジャックフラシュだ! でもイントロのエッジのきいたギターの刻むリズムが最高のグルーブを作り出していく。
2曲目の”かわいいキャロル”はチャックベリーのロックンロールだが、ストーンズも負けじとロックンロールしている。キースのギターが素晴らしい。
そしてもう1曲、チャックベリーの曲が入っている、8曲目の”リトル・クイニ―だ。この曲も2曲目と同様に、ロックンロールの何とも言えないグルーブ感を表している。ビル、ワイマンのベースも光っている。
このチャックベリーの2曲がこのアルバムの牽引力になっているが、2曲とも、ただ突っ走らない少し抑えた演奏になっていて、それがまたこのアルバムの心に届く重たいリズムに繫がっているように感じる。そのリズムが自分には凄く心地よい。
4曲目の”むなしき愛”はブルースマン、ロバートジョンソンのバリバリのブルースだが、ストーズなりに、ブルースしていて好感がもてる。
ここでの、ミック、テイラーのボトルネックギターは流石である。ギターが泣いている。
このアルバムのハイライトは、
ここでもミック、テイラーになってしまうが、5曲目”ミッドナイトランブラーと6曲目”悪魔を憐れむ歌でのギターである。高校時代、ディープパープルのリッチーブラックモア好きの友達に、ストーンズを聴かせたとき、ロックンロール曲を聴いたときは、(なんだ、ギターソロが短いなあ、、)ってガッカリしていた友達が、この2曲を聴いたら、(リッチー以上だ!)っと感激していたことを思い出します。
ロックする楽しみが、心にしみる一枚だと思います。
このアルバムは私の大切な宝物です。







ジョンの魂

2023-11-27 18:05:35 | 日記


小難しい理屈抜きに、素晴らしいアルバムがある。
ジョンの魂である。
曲は勿論、ジャケットも素晴らしい!
このアルバムは、ビートルズ解散後のジョンの最初のソロアルバムである。
世間一般の評価も、~自己の内面を歌った純粋無垢なジョンをさらけ出した芸術作品とある。
私の持っている立川直樹氏のレコードの解説書でも、数あるロックアルバムのうち、5本の指に入る名盤だと歌っている。自分も同感で、私だけの個人的見解では、全ての音楽ジャンルの中でも、5本の指に入ると思う。それだけ、人間の悲しみの本質をついている,芸術性が高いのである。自分がこのアルバムを聴いていちばん感じることは、ジョンの心の奥の深い悲しみである。ジョンは小さい頃、両親の離婚により、父親から捨てられ、母親からも育児放棄を受け叔母に育てられている。純粋無垢の少年が、生まれてから初めて受ける強烈な悲しみや不安を、ジョンは何回も受けてきているように思われる。
そんな悲しみを素直に表して、アルバムの一曲目が始まります。
オープニングナンバー,マザーです。この曲は、教会の鐘の音(日本でいえば、お寺の鐘の音のような~)で始まります。
     母さん行かないで、、、父さんもどってきて、、、
子どもにもどったように、ジョンが叫んでます。圧巻です。

このアルバムで、音楽的に好きな曲は、I found out ,悟り、という曲である。
トリオのシンプルなロックで、荒くアンプ直結のギターの音が、とても力強く心に残る。それにベースとドラムが絡みつき、ロッキングしている。余計な音がなく、これぞ、ロックみたいな貫禄がある。かっこいい!!

メロディー的に好きな曲は、working class hero 労働階級の英雄である。
  ジョンの弾き語りで、ギター一本の曲である。
   旋律だけで心が締め付けられる。
   悲しい感じだが、何故か勇気づけられもする。

アルバムの中で、一番のヒット曲は、ラブだろう。
   愛は、愛されたいと望むこと、、、
   愛は君、君と僕、、、

アルバム最後の、2曲は、GOD,神、と母の死である。
    2曲とも、詩が素晴らしい。
    
   僕は自分だけを信じる  ヨーコと僕だけを それが現実なのだ

   この苦しみを 説明なんかできない
   誰にも言えなかったんだ 僕のお母ちゃんは死んじゃった

最後に、このアルバムは悲しく重いが、不思議と何故か爽やかで前向きになる。そして聞き終えたあとは、ジャケット写真のジョンとヨーコのように、大木の下で、心を空っぽにしたくなる。






ソニークラーク

2023-10-24 09:58:34 | 日記
20代のころ、東京でしばらく暮らしたことがあった。
その当時知り合ったバイト先の先輩がジャズ好きで、LPレコードを抱えて私のアパートへ、遊びに来たことがあった。ジャズをレコードで聴いたのは、たぶん初めての経験だったと思う。酒好きの先輩が、ビールを片手に、目を閉じてじっと聞き入っていたのを、覚えています。私は、音楽と言えばローリングストーンズを中心にハードロック、後はフォークソングを聴いて喜んでいた頃である。
何かレコードで聴いたジャズは、その当時の自分の嗜好には合わない音楽ジャンルで、心にあまり響かなかった。
ただこの時一番印象深かったことは、ジャズの音楽そのものではなく、先輩の持ってきた数枚のジャズアルバムの中の一枚のジャケット写真である。
何とも、白黒でカッコよかった。アルバム写真は、女性のスカートからでた足の写真で、大都会のニューヨークマンハッタンを歩く、オフィスレディの足である。(なんてセンスの良い写真なんだろう!) 不思議と、そのジャケット写真を見ながら聞くと、そのアルバムのジャズもセンスが良いと感じましたが、当時の私としては、何回も聴きたくなる音楽にはなりませんでした。
ジャズに目覚めるには、もう少し年を重ねて、人生の苦労や悲しみを重ねて色んな体験をしなければなりませんでした。
やっと40代のころから、ブルースを聞き始め黒人音楽の精神的深さなど、感じられるようになって来たあたりから、少しずつ、ジャズの良さも理解できるようになったと思います。黒人音楽の素晴らしさが、ブルースにはあるけど、その素晴らしさを、少しおしゃれにして、ブルースとは違うパワーで仕上げたのが、ジャズのような気がします。
ジャケット写真は当然だが、このアルバムのリーダーソニークラークのピアノの素晴らしさも、40代になってから、徐々にわかり始めました。
バックビートの2拍4拍を強調した、ファンキーな演奏、アルバムスタートの一曲目は、アルバムタイトルのcool struttinだが、ジャズブルースの渋い演奏でとても素晴らしい。
最後に、小川隆夫著、ブルーノート、ジャズより
    このブルースを聴くと、細身のスーツでビシッと決めた黒人がマンハッタンの雑踏をクールに気取って歩く様を連想する。






中島みゆき

2023-08-22 05:08:34 | 日記

中島みゆきとか、拓郎、陽水とかは、自分のなかではフォークソングになる。
でもその曲をアレンジしてロックにしたり、ジャズっぽくしたり、プログレッシブルな曲にして、レコーディングしている。中島みゆきに対しての自分の印象は、ギター一本だけ抱えて、裸足でステージに立っているのと、椅子に座りギター一本抱えて、歌っているイメージが強い。それと同時に、バンドを従えてのみゆきさんもとても素晴らしくパワフルです。そもそも曲が良いので、いろいろな表現がつくれるように思います。みゆきさんの曲は、自分がまだ若くて、就職がきまらずアルバイトなどをしていた時期に良く聴きました。仕事の事とか、将来のことで悩んでいるときにきき、励まされ勇気づけられました。私にとって中島みゆきさんの曲調や歌詞は、悩んでいた心に入って、私を癒してくれたように、思われます。この体験などは、音楽療法による心の癒しのように思われます。
その時よく聴いたアルバムが、中島みゆきファーストでした。全曲を何回も聴き込んだので、親しみがあり自分にとっては大切なアルバムです。
このアルバムの中で、わたしの心を癒してくれる歌詞をあげてみたいと思います。
時代~そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ
   あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ
   だから今日は くよくよしないで 今日の風に吹かれましょう
渚便り~風に吹かれて 渚にいれば みんな綺麗に見えてくる
    悲しいはずの 思い出も 優しい出来事に見えてくる
歌をあなたに~歌おう 謳おう 心の限り
       愛をこめて あなたのために
悲しいことはいつもある~誰も悪くはないのに 悲しいことは いつもある
ひとり遊び~鬼さんこちら 手のなるほうへ 鬼さんこちら 手のなるほうへ
        私の影を追いかけてよ
踊りあかそう~さあ踊りあかせ今夜は 気の狂うまで 死ねるまで
       
アザミ嬢のララバイ~ララバイ一人で眠れない夜は ララバイ私を訪ねておい
          で 春は菜の花 秋には桔梗 そうして私はいつも夜咲    
          くアザミ
海よ~海よお前が泣いてる夜は 遠い故郷の歌を歌おう
ボギーボビーの赤いバラ~ボギーボビーは砂時計 いつかこぼれて影もなし
信じられない頃に~なんて不幸なあなた そして不幸な私
あたしの優しい人~あたしの優しい人 あんたは優しすぎる
アブナ坂~遠い故郷は落ちぶれた男の名を
         呼んでなどいないのが ここからは見える

心にしみるメロディーと歌詞のアルバムです。















  

キングクリムゾン

2023-07-25 18:54:23 | 日記


日本のロック、フォーク、そして欧米のロックと少しづつかじりながら、聴いてきて、天国への階段の曲調をもっと突き詰めたような、バンドに突き当たりました。それがキング・クリムゾンです。まだ自分が高校生の頃でした。天国への階段を教えてくれた友達の友達が、(すごいアルバムがあるよと、、)と教えてくれたのが、キング・クリムゾンのクリムゾン・キングの宮殿というアルバムでした。自分も何とかLPレコードを手に入れて、何回も聴いているうちにすっかり虜になってしまいました。抒情的で、心のデリケートな部分を優しく刺激するような旋律や奥深い叫びや悲しみの詩など、今まで聴いたことのないジャンルでした。ジャケットも素晴らしく、黒人の男性のような顔のアップで、叫んでいるのか、驚いているのか、悲しんでいるのか、不安でいるのか、そんな感情を全部表して、目を見開き、鼻を広げ、口を大きくあけて叫ぶのか、声も出ないのか、そんな感じで、耳の穴の奥から、体外に向かって、宇宙らしき空間に、惑星らしき、星が浮かんでいる絵画です。うまく表現できませんが、とてもインパクトのあるジャケットでした。あと、このレコードの解説文も自分は好きで、曲を聴きながらよく読みました。それは、1971年4月17日記の北山幹夫さんの文です。少し引用してみると、イギリスは伝統の国である。この国が生む音楽には何故かそんな伝統の深さがある。同じフォーク、ロック、ブルース、ジャズ、リズム&ブルース、ニユーロックなどでもアメリカのそれとは大いに異なる。第1に深さがある。第2に影がある。第3に色調がある。第4に詩がある。そして第5に哀感がある。それが半面、若さの無さ、近づき難さを伴う危険があるが,新生音楽についてのみ言えば,それはより芸術性を高める意味で利点となっている。中略、モダンロックのグループには強力なパワーで訴える楽団と深く沈静し音楽を掘り下げる派とがあるようだ。キング・クリムゾンは勿論後者の音楽を掘り下げる楽団であるそんな中にあって、ブリティッシュ派の、しかも古典派にはいる。彼らの音楽は美しさ、幻想的さ、悲しさなどの点においては史上最高のものがある。中略、、、
自分が、このアルバム、クリムゾン・キングの宮殿で好きなところを上げると、まず、①風に語りて、のフルートの旋律の素晴らしさがある。これは、質のいい中世を舞台にした映画で流れるような旋律で、うっとりと心に届き、悲しみも感じられる。あと、②エピタフのボーカルの出だし部分のベース音、(聴いたその当時、これが重低音なんだなぁ、などと感心してました、、)③ムーンチャイルドのボーカルの出だしの部分の、それに絡む周りの演奏の優しさ、デリケートさなど、④クリムゾン・キングの宮殿のコーラスの素晴らしさ、⑤21世紀の精神異常者のユニゾンによる完璧な迫力のある間奏などなどです。自分が今まで聴いたアルバムのなかで、最高かもしれません、本当にすばらしいです。