『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』は、アメリカ合衆国のジャズボーカリスト、ヘレン・メリルが1954年12月に録音、翌年1955年に発表した初のスタジオ・アルバム。トランペット奏者のクリフォード・ブラウンが全面参加したアルバム。
私がこのアルバムに出会ったのは、もうだいぶ昔のことであまり記憶にないが、
何かのジャズ雑誌の表紙にこのアルバムのジャケット写真が載っており、凄くインパクトがあったので、それが最初の出会いである。
ヘレンのボーカル写真であるが、悶絶シャウトしている青地のモノクロで、ほとんどジャケットいっぱいの顔写真である。
その顔の前には、顔を半分隠すように、でかいマイクが立ちはだかっている。
その存在感が凄い。ヘレンの顔の表情も、
とにかく凄い。 この表情だけで、アルバムの内容を表している。
男を思う悲しく、寂しい心がジャケットから伝わってくる。
素晴らしいジャケット写真である。
ジャズ評論家の中山康樹氏は、「歌っているというよりもコーナー・ポスト(マイクロフォン)に顔面を打ち付けられる寸前の女子レスラーのように見える」と書いてあります。
昔からの付き合いのこのアルバムは、やはりヘレンのボーカルとクリフォード・ブラウンのトランペットが光っている。
ロックでいえば、ヘレンのボーカルとクリフォード・ブラウンのトランペットが、ツインギターのように主張し合っている。
その二人を支えるピアノがまた素晴しい。控えめであるが、土台を固めながら、二人の下でコンピングしながら踊っている。
今回、このアルバムを取り上げたのは、アルバム2曲目の(ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ)を、自分のバンドで演奏する話が出て、改めてこのアルバムを聴きなおしたからである。
物静かなこのアルバムの中では、少しブルース色が強く、バンド演奏むきであるので、バンドのレパートリィー
に選んだ。
この曲のクリフォードの間奏が、見事である。言葉では言えないが、演奏に入るタイミングやこころのリズムの表し方が、とても心地良い。
まさにトランペットで歌っている。
自分もこんなギターが弾けて、心が歌えたらと憧れてしまう。
今回、自分のバンドでこの曲をやるが、なんとか自分のものにしたいと、強く想う。
改めてこのアルバムを聴き、しんみりとして良い雰囲気にしたれるベストアルバムの一つであると確信しました。
ボーカルのヘレン、 25歳
トランペットのクリフォード・ブラウン、 24歳
アレンジャーのクインシー・ジョーンズ、 21歳
こんな若い人たちが、どうすればこのような感性が、発揮できるのか?
とても驚きです!!
現在、ヘレンは93歳
クリフォード・ブラウンはこのアルバム参加2年後に、交通事故の為26歳の若さで、この世を去っています。
(you,d be so nice to come homu to)
あなたのもとに帰れたら素敵なのに
あなたが暖炉のそばにいてくれたらいいのに
そよ風が空高く歌い上げる子守唄を聴きながら
私の望みはあなただけ
凍えっそうな冬の星空の下も
燃えるような8月の月の下でも
あなたは素敵でしょうね
愛するあなたのもとへかえれたら天国のようだわ