
起点と終点の謎
全国すべての鉄道、軌道には起点と終点がある。起点というのは路線の始まる場所で、終点は路線が終わる場所。起点や終点は、鉄道なら駅、軌道なら停留所となるのが大原則だ。しかし、この問題は例外が多く、一筋縄では行かない側面がある。
【起点・終点】を決める大原則は・・・
1.どちらか一方の駅のみが他の路線と接続している場合:接続している駅が起点、そうでない駅が終点。
2.どちらの駅も他の路線と接続している場合:東京駅への距離が短い方が起点、遠い方が終点。JR西日本の北陸線は起点が直江津、終点が米原。これは東京-直江津間が297.4k(北陸新幹線経由)、東京-米原間が445.9k(東海道線経由)だからだ。
3.例外として、「接続している路線」が或る路線の枝線である場合:もう一方の路線がどこかの路線と接続していれば、そちらを優先する。たとえば、JR東海の飯田線。起点の豊橋は東京駅から293.6k、終点の辰野は同じく219.9kで辰野の方が東京駅に近い。しかし辰野は中央線の枝線・岡谷-塩尻間の一部であることから、飯田線の起点は豊橋となっている。(以上、鉄道関係ライター・梅原淳氏の研究に依拠した)。
4.山手線の「上り・下りは?」というもの。
山手線は、通常「内回り・外回り」であり、「上り・下り」の例外扱いとされている。環状だからだろうか? しかし、そのように言い切って良いものかどうか、疑問が残る。というのは・・・・・
自信はないが、山手線は当初「品川-赤羽」間で開業し、後に「品川-田端」間に変更されたと記憶している。つまり山手線は、(列車運行上は兎も角として)線籍上は環状線ではないのだ。
どちらにしろ、山手線の品川-田端間は、東海道線の支線であるはずだ。しかし田端-東京間は東北線になるのかな? 因みに東北線の起点は、東京駅である。
ことは複雑怪奇である。歴史的に遡って調べないとハッキリしない。ただなにがどうであれ、「上り・下り」とは云わないのだ。云えばよいのにネ。
★蛇足:人間の場合は生まれたときが起点、死んだときが終点。それじゃ、女房に逃げられた
ときは、脱線転覆。餓鬼が非行に走ったときは、積荷不良。浮気をしたときは信号無視。上司に理不尽な叱られ方をしたうえに、最低の人事考課をされ、雀の涙ほどのボーナスを掏摸(す)られてしまったときは、支線(死線)を彷徨うか?