駄菓子屋開業?
別に駄菓子屋を開業しようというわけではない。
りんかい線・東京テレポ-ト駅前の「ヴィーナスフォート」1階に、下町の駄菓子コーナーがある。
そこで、買い込んできた駄菓子類……餓鬼の頃に既に存在した懐かしいもの、初めて見るものなどなど……ついつい衝動買いをした結果が、冒頭に掲げた写真。
とくに「サクマ式ドロップス」には、目を奪われた。右から始まる横書きで、「火垂るの墓」シリーズのひとつ。偽物ではなく、正真正銘の「佐久間製菓株式会社」製である。封印シールも剥がされていない。
これら全部の値は、¥1784也。餓鬼の頃の「駄菓子屋で思いっきり買い込みたい」という欲望が満たされた一日だった。
困ったのは、これらの処分だ。孫は『もんじゃセンベイ』を一口食べて、顔を‘しかめた’きり喰おうとしない。しかたねえ、爺さんがひとりで喰うか……所詮、懐メロと同じ‘郷愁の味’に過ぎないのだろうなあ。
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駄菓子の処分は遅々として進まない。 !名案が閃いたッ!!!! ここはひとつ婆さんに協力してもらおう。
我が家の昼飯当番は筆者である。そこで某日の昼餉は駄菓子のみを出した。駄菓子のみ!
婆さんは渋々駄菓子のひとつを口にするや否や、「なあにッ、この奇妙な味ッ!」と頓狂な声をあげた。
駄菓子は想い出のなかでのみウマイもの、郷愁で味付けをして食べるものだ。
食べるのを渋る婆さんに向かって、筆者はおもむろに且つ重々しく言い放った。
「戦地にいる兵隊さんの苦労を思いなさい。贅沢は敵です。『欲しがりません、勝つまでは』の精神で臨みなさい」(時代錯誤?)
一億玉砕の精神で食べようとしたが、筆者本人も捗らない。そりゃあそうだろう。駄菓子のみで昼餉とは、どう考えても無茶だ。夫婦は桃を半分ずつ食べて、食事を終えた。
結果、未だ大量の駄菓子の山が残っている。そこで、皆様を「駄菓子を楽しむ宴の夕べ」にご招待したいと思うが、いかがなものだろうか? 是非、進んでチャレンジする姿勢を示して欲しい。心よりお待ちしております。
06.08.15