土手の伊勢屋
(写真右は「天丼のロ」,写真左は「穴子天丼」)
近頃、「天麩羅」というと、すぐ赤坂の「天茂」(てんしげ)というが、なかなかどうして、“そうは問屋が卸さない”。“そうはイカの金玉だ”と言いたい。
日本橋の天麩羅屋「天茂」 ↓
↑ こちら超高級店…「てんも」と読み、赤坂とは無関係
天麩羅といやあ、なんたって、天丼の最古参、『土手の伊勢屋』 を忘れちゃあイケナイ。
空席待ちの客の列
創業明治22年。定食屋としてオープンした。
吉原に近いこともあり早朝から深夜まで営業をしていた。創業から20年後、評判の良かったテンプラだけを扱うようになった。
穴子が自慢。東京湾の天然物を使用。 丼と天丼のルーツは… 天麩羅は江戸時代中期以降に普及し,屋台で売られたのが始まり。そして,天丼が生まれたのは,さらに後の明治時代に入ってからで,店の客が天麩羅を飯の上に乗せて食べたのが切っ掛けとか。
いわゆる丼は,仕事の合間にも手軽に食べられるということで,せっかちな江戸っ子が考え出したと言われている。
『土手の伊勢屋』は店名で『伊勢屋』ではなく、ちゃんと『土手の』も付けなくては駄目。
建物は、重要文化財ものの木造建築で、店内は土間作りになっていて、お客により踏み固められ黒光りした土の感触が足底に伝わって来る。
中に入ると,かなり年期が入っているが,黒光りした柱や天井で風情のある店内だ。
〈土手の伊勢屋のメニュー例〉をご覧いただきたい。胡麻油の香ばしい天丼の匂いが伝わってくるようだ。
●穴子天丼 2,300.-
●天丼イ 1,400.- かき揚げ(イカ),海老,キス
●天丼ロ 1,900.- かき揚げ(イカ),海老,穴子((穴子、海老、いかのかき揚))
●天丼ハ 2,300.- かき揚げ(小海老と貝柱),海老,穴子,季節の魚 ●海老天丼 2,300.-です。(2001年)
●天ぷら 中 1,900
●天ぷら上 2,500
●お吸物 150
●ビール(大) 650
●ワイン(ハーフボトル) 850
★『土手の伊勢屋』の情報
東京都台東区日本堤1-9-2 吉原大門交差点角
営業時間: 11:30から14:30まで 17:00から20:00まで
定休日: 水曜日
電話: 03-3872-4886
交通: 営団地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩8分 駐車場: なし
(昔の「日本堤」つまり「土手」)
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
★★★土手の伊勢屋のすぐ右隣が…〈さくら鍋 中江〉 明治38年創業。
吉原が近くにあったことで、明治10年頃から馬の肉を食べて精をつけることが流行した。常連からは桜鍋の馬肉はあとごはんの為のだしだと言われた由。
「あとごはん」とは桜鍋を食べ終わった後に、といだ卵を入れてかき混ぜ、半分くらい火が通ったら鍋の火を止め、トロトロになった卵をご飯にかけて食べる物。抜群にウマイ!
06.08.14