神田明神の タヌキの○玉
神田神社(俗にいう 神田明神)の門前に、「天野屋」という土産物・お休み処がある。
天野屋の壁際に、神社に向かう道に沿うように「おタヌキ様」がおわします(冒頭の写真)。1938(昭和13)年生まれの信楽焼の古狸様である。タヌキが胸にぶら下げている札が㊦の写真である。
そのおタヌキ様は、植え込みや鉢で上手に、お○玉をお隠しあそばしてアラシャル。俗に“タヌキの○玉 八畳敷き”という。覗いてみたくなるのが人情というもの。
そこで邪魔をしている鉢植えを、天野屋さんには内緒で退かせてみると、なんとっ! ご立派な‘おタマタマ’がお姿を現し賜うたではないか!
「お○玉様におかせられましては、いつもながら麗しきご尊顔の体(てい)を拝謁し、且つまた、手前のご尊面(づら)をご覧に入れまして、恐悦至極に存じ奉りま~す」と心の中で柏手(かしわで)を打ち、思わぬ拝謁の栄に噎(むせ)び泣いてしまったのだった。
帰途、天野屋で‘涼しい顔をして’、心太(ところてん)を喫して帰った。ここの心太は旨い。
もちろん、植え込みと鉢は元通りにしてきた。