池上線
※西島三重子さんの名曲「池上線」
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※西島三重子さんの名曲「池上線」
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※東京新聞「筆洗」 2012年10月4日
山手線の駅の中で五反田駅は一風変わっている。線路をまたいで地上四階の高さに東急池上線のホームがある。最近、ようやくエスカレーターが設置され、山手線からの乗り継ぎが楽になった▼どこかのんびりした雰囲気を漂わせている三両編成の池上線が六日、開業九十年を迎える。五反田-蒲田間一〇・九キロを結び、山手線に接続する鉄道の中では最も短い編成だ▼池上電気鉄道(当時)が大正十一年、池上本門寺への参詣客を運ぶために、蒲田-池上間で開業した。現在の東急の路線では、最も古い区間である▼資金繰りが苦しく、五反田まで延伸したのは六年後。さらに、白金・高輪方面に延伸する計画だったが、着工できないまま免許が失効、乗り入れ計画は幻に終わった。山手線をまたぐ高架のホームは、その名残なのだ▼♪あってもなくてもどうでもいい目蒲線…(「目蒲線物語」)と歌われた同じ蒲田始発の目蒲線は、目黒線と多摩川線に分割されて、十二年前に本当に消えてしまったが、兄弟分の池上線は健在だ▼壁と一体化した懐かしい木製ベンチが残る駅もある。大田区や品川区の住宅街を走っているのに、ゆったりとした時間が流れ、どこか昭和の薫りがする。♪古い電車のドアのそば 二人は黙って立っていた…。西島三重子さんの名曲「池上線」は、多くの歌手にカバーされ、歌い継がれている。
山手線の駅の中で五反田駅は一風変わっている。線路をまたいで地上四階の高さに東急池上線のホームがある。最近、ようやくエスカレーターが設置され、山手線からの乗り継ぎが楽になった▼どこかのんびりした雰囲気を漂わせている三両編成の池上線が六日、開業九十年を迎える。五反田-蒲田間一〇・九キロを結び、山手線に接続する鉄道の中では最も短い編成だ▼池上電気鉄道(当時)が大正十一年、池上本門寺への参詣客を運ぶために、蒲田-池上間で開業した。現在の東急の路線では、最も古い区間である▼資金繰りが苦しく、五反田まで延伸したのは六年後。さらに、白金・高輪方面に延伸する計画だったが、着工できないまま免許が失効、乗り入れ計画は幻に終わった。山手線をまたぐ高架のホームは、その名残なのだ▼♪あってもなくてもどうでもいい目蒲線…(「目蒲線物語」)と歌われた同じ蒲田始発の目蒲線は、目黒線と多摩川線に分割されて、十二年前に本当に消えてしまったが、兄弟分の池上線は健在だ▼壁と一体化した懐かしい木製ベンチが残る駅もある。大田区や品川区の住宅街を走っているのに、ゆったりとした時間が流れ、どこか昭和の薫りがする。♪古い電車のドアのそば 二人は黙って立っていた…。西島三重子さんの名曲「池上線」は、多くの歌手にカバーされ、歌い継がれている。