なが~い名前
『寿限無』ほどじゃないが、“なが~い”名前の店があった。
外出中、昼餉をとるため、いわゆる街のラーメン屋へ入った。周りの客の食べている物を横目でチラリと見やると、大概、「ラーメン&炒飯」や「肉野菜炒めライス」という定食らしきものだ。
バカ安でボリュームもあって、まことに結構。皆、旨そうに食べている。店も満杯で、厨房も活気がある。店中がワンワン響いている感じがする。
厨房のマルマルした太ッチョの‘狸みたいな’お兄さんが、チラリと小生の顔を見る。
それに引き込まれるように「餃子二人前と白いご飯」と思わず叫んでしまった。餃子が一人前5個で250、白いご飯・丼一杯150。しめて650。旨かった。都内でも、どちらかと言えば、場末の盛り場の外れには、こういう店があるものだ。
食いながら気が付いた。店員が5名、揃いも揃って太ッチョの狸。狸のオンパレードだ。これじゃ狸御殿だ。
外へ出て、この店の看板を見て驚いた。
『らーめんゃぎょうざゃ定食ゃ酒ゃ肴ゃ“たぬ久”』 とある。
なんのことはない、狸の俺が狸御殿で昼飯を喰らったというお粗末。
でもたぬ久は、安くてボリュームがあるよ。