今日はチョット国際的なお話をしちゃいましょう。 勝手なブログですので
バンバン言いたい事を言っちゃいます。
「またチャーリーがバカな事言ってる~。」 とおもって聞き流してください。
皆さんは「スイス連邦」という小国をご存知ですか? 美しいアルプスが国の景観を
イメージさせる、風光明媚な小国です。 イタリア・フランスドイツ・オーストリア
に囲まれた人口750万人ほどの小国です。 面積は日本の九州より少し大きい程度。
ハイジとウィリアム・テルの国ですね。
国を支えている産業は、観光・化学工業・精密機械工業・食品工業・酪農業などが主
要産業となっています。 チャーリーは25年以上も前になりますが、この小国で暮
らしていました。
実はこの国とっても特殊な政治形態の国で、日本が学ぶべきモノが沢山在ります。
というのも方や山に囲まれて海の無い国、方や大洋にかこまれた島国という違いはある
ものの、資源がない事、豊かな自然に恵まれている事、我慢強い国民性などをとっても
スイスと日本は結構似ています。
この国には地下資源が有りません。 地下資源は岩塩くらいですね。 基本的に外国か
ら原料を輸入し加工する日本と同じような産業形態で、様々な製品を輸出をしています。
精密機械工業はそのクオリティーの高さから世界的に有名な高級ブランドを排出してい
ます。 高級時計といわれる多くはスイス製です。その他産業界での世界ブランドはSIG
ホールディングス。 食品工業はネスレ(ネッスル)、マギー、クノール、化学工業は製
薬会社チバガイギーなど世界水準の企業を多く排出しています。
国民性は総じて、質実剛健・勤勉で少々の事では音を上げません。 何事も保守的で頑固
なところが有ります。チャーリーが住んでいる当時、未だに婦人参政権を採用していない
州があったと記憶しています。今はどうかな?保守的と云えば、当時チャーリーが働いて
いたホテルは酪農との兼業農家。 ホテルで4~5頭の乳牛を飼っていましたが、酪農の
方法が数百年変っていないといって、胸を張っていました。 勿論、機械化はしてい
ましたが、牧草地に化学肥料を使わずに、牛糞の堆肥を使っていましたし、牛の飼料はほ
ぼ100%乾草牧草。 お陰で、夏の牧草地での乾草作りは大変な作業でした。
この部分は大変重要な部分で、古い手法を守ることで環境破壊を極力防ぐ事になり、結果
観光産業の重要な資源である美しい景観の保護に繋がっていきます。 そしてそれは、ス
イスの伝統的な酪農が作り出す、世界ブランドのスイスチーズの生産の原点でも有ります。
スイスのチーズは世界の食通がその味を求めて止まないもので、高級時計と並ぶ他国の追
随を許さない世界的な高級ブランドとなっています。 この伝統的な酪農と観光産業のマ
ッチングがどれほどの恩恵をこの小国にもたらしているか? ここにモノの無い国・資源
の無い国にとって学ぶべき点が多く存すると確信しています。
次に、スイスが特殊な点はその国民意識にあります。 永世中立国は世界に3カ国・オース
トリア・トルクメニスタンそれとスイス連邦です。 ただし、中立の立場を守るために「国
民皆兵制」をとりいれており、多くの国民は国軍兵士として兵役に就かなくてはなりません。
また現役兵をはずれ予備役に廻されても、訓練の義務は果さなければなりません。毎年決ま
った期間所属する部隊へ行き訓練を繰り返すのです。 この期間、男は皆鍛えられて国防の
意識を共有し、一人前の大人としてのスイス人が出来上がります。 普通の家にアサルトラ
イフルが玄関脇に置いてあったり、ビングのテーブルで拳銃を分解掃除してたり、当たり前
です。 農閑期には村の射撃場は村人で賑わいます。 射撃訓練が義務づけられているため
に、皆時間が有る時の週末などをりようして個人々々で射撃場にいっては。「バンバン」打
ちまくっていました。 その間銃声が村に響き渡っていたことを覚えています。
何故?スイスがそのような特殊な国になったのか、それはスイスの歴史にあります。 やは
りこの国の国民も歴史から学び国の形態を作り出しているのです。 中世ヨーロッパでは、
各地の王家、領主の間で戦いが絶えない時代が有ったようです。当時は傭兵(自国の民衆か
らではなく、別の地域から人々を兵士として雇用した)が主体で、スイスは国の貧しさから
傭兵の供給地域であったそうです。 周囲の列強領主や国々が、力を誇示し戦いが始まると
自国に関係の無い戦いの戦場で、スイス人同士が合い見え共に殺しあうと言う悲劇が繰り返
されたそうです。 二度と他国同士戦いの戦場でスイス人同士が殺し合う惨劇をなくす為に
長い年数を掛けて周辺の強国から独立し、現在の「永世中立国スイス連邦」があると云われ
ています。
スイスという国は、独立国家であってさらにその意識が他のどこの国にも干渉されないとい
う立場を貫いてます。他国もその建国精神を認めているわけです。 よって、スイス国内に
は他国の軍事施設は有りません。 また、隣国が戦争になっても他のどの国とも特定の軍事
同盟・協定を結んでいないので、紛争には関わりを持ちません。 日本のように、超大国
の傘の中に入る事を良しとしていません。 国民がそれを欲しているからです。 それから
国民投票制度がしかっりと根付いてます。 直接国民の声を国政に反映出来る制度を持って
います。この点でも、非情に先進的で合理的でしかも国が成熟している事を感じさせます。
反面スイスという国は永世中立を詠っておきながら、先にもお話しましたが「死の商人」の
顔も持っています(オーストリアもそうです)。 兵器を造り国外に輸出販売しています。
日本の防衛省もスイスの企業から武器を調達しています。 このことは何を示しているかと、
国自体が現実主義を貫いている。ということだともいます。 平和はイデオロギーだけ・外
交だけでは保てない。 国内に資源のないスイスは自分達が作って売れるものは何でも売る。
スイス国民は現実を見据えています。
この事は、第2次世界大戦の時も生かされました。 ヨーロッパ全土を戦場とした戦いで唯一
スイスは戦場にはならなかったのです。 直ぐ隣国にはあのヒットラー率いるドイツ国家社会
主義・ナチスドイツがあったにもかかわらず・・・。 なぜか?当時から国民皆兵の制度を布
いていましたので、小国にも関わらず地上部隊はかなりの戦力を有していた。 アルプスの山
岳地帯での戦闘は攻め込んでくる国には不利になると予想された。 一つのエピソードが有り
ます。 大戦中にドイツ軍がスイを通って同盟国のイタリアや別の地域へ軍隊を輸送していた
そうですが、スイスはドイツ軍に法外な通過関税を掛けていたそうです。
要するに通過料金を取っていたんです。 それが嫌なら、迂回しろと・・・。 ドイツ軍はしぶ
しぶ高い関税をスイスに払っていたそうです。 また、一方ではスイス軍の装備は殆どドイツか
ら購入した兵器だったそうです。 すばらしいバランス感覚ですね。
チャーリーの考えでは、日本も近い将来スイスのように、永世中立を模索する日が来るのではない
かと思います。 それは、アジアの情勢を見るに中国という超大国が強大な力をつけてきています。
ロシアも国境を接しています。 太平洋の覇権はアメリカが握っています。 この、3つの超大国
に挟まれて、外交・軍事の政策は行き詰るでしょう。
アメリカの傘の下にいつまでも居る事は国益を阻害する恐れが有ります。 また、もしアメリカと
中国が経済的にもっと接近するような事になれば、日本はアメリカの踏み台にされまねません。
日本の製造業は中国での市場を確保できなくなる恐れが有ります。 トヨタ・日産をはじめ日本の
自動車ブランドは中国市場から駆逐され、フォード・GMが中国の市場を押さえる可能性は充分にあ
ります。 なぜかと言いますと、アメリカは中国の巨大な市場で自国の製品の展開を狙っています。
チャーリーはアメリカと言う巨人の胃袋を充たす献立は、中華料理しか無いとおもっています。
また、日本の製造業が今以上に世界にネットワークを広めるには、アメリカの同盟で居る事がマイ
ナスになる可能性も有ります。なぜか、アメリカが敵を作れば同盟国である日本も同じくアメリカ
の敵を敵と見なければなりません。 世界はに多くの国がありますアメリカの同盟国ばかりでは有
りません。アメリカに対し敵意を抱いている国は、アラブを中心に広がっています。
総ての国に対し、分け隔てなく平等にお付き合い(商売)が出来る体制が日本に必要になってくる時が
必ず来ます。 その時に、永世中立という選択肢が意味を持ってきます。
何を言いたいのかというと、将来「スイス連邦」という国を手本に日本を立て直さなくてはならなく
なる時が来るのでは・・・? ということです。
あっ、そうそう、幕末、越後の長岡藩今の新潟に「河合継之助」という人物がおりましたが、戊辰戦
争の折、自国長岡藩を救う為に倒幕・佐幕のどちらにも着かず、戦いを回避しようと試みましたが結
果は奥州の戦いに巻き込まれ失敗に終わりました。彼の頭には、外国から訪れていた商人から聞いた
話の中に出てきた「スイス連邦」のイメージがあったのではないかと、小説にも描かれています。
スイス連邦は様々な意味で、「進んだ国家・成熟した国家・大人の国」といえます。 小さな国、資
源の無い国、軍事力の無い国が生き残る術を学ぶことが出来る、数少ない国だと思います。
今日はこの辺で・・・。 なんか硬い話になっちゃいましたネ。
また、遊びに来てください。 チャーリー
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