奥山舎 オウザンシャ

寺内はキリスト教とCharles Dickensの独立研究者。専門分野だけでなく広く社会問題に関心があります。

心壊(しんかい)の人―京アニ事件青葉被告の父のケース

2024年02月01日 | 日記
 世間には心が壊れている人がいる。周囲の難事に追われて冷静な判断力を失っている人のことを「心壊の人」と呼ぶことにしよう。京アニ事件の青葉被告の父は、被告が小学校3年のとき離婚した。この後の彼の行動から推測すれば、妻は彼に愛想を尽かしたのかもしれない。彼は家族に手を上げた。息子たちが反抗的な態度を見せると裸で外に立たせて水を浴びせ、ほうきの柄でたたいた。被告が中学生の時柔道大会で準優勝すると、記念の盾と柔道着を燃やせと言われ、泣きながら従った。父はトラック運転手の仕事をやめ、生活は困窮した。この人は生きる気力を失っている。その後に自死しているところを見れば、生きることに絶望していたのだろう。このような「心壊の人」には安息の場が必要だ。行政関係の人か、篤志家が、静かに根気よく近づき、子どもたちを養護施設に預けてはどうか、その間にあなたは生活保護を受けながら、ゆっくりと生活を立て直してはどうか、と。こういう手立てを講じていれば、青葉被告の犯罪も、兄と妹の自死も、防げていたかもしれない。
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過激な行動のあとで―連続企業爆破事件、京アニ放火殺人事件、秋葉原無差別殺傷事件

2024年02月01日 | 日記
 連続企業爆破事件の犯行者は49年間逃亡生活を送った。京アニ放火殺人事件の犯行者は、自らも全身にやけどを負い、重篤な状態から助け出されて死刑の判決を得た。秋葉原無差別殺傷事件の犯行者は死刑判決を得て執行された。第1の事件の犯行者は「後悔している」という言葉を遺した。第2の事件の犯行者は公判で「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません」と謝罪した。第3の事件の犯行者は自分の行為は「万死に値する」という言葉を遺した。
 精神熱が高じて破裂すると、その後に残るのは「取り返しのつかない後悔」だけ。過激な行為は「悪」です。この人たちの言葉を心に刻んでおけば犯罪の抑止力になる。
 世間に不満があっても、他者を不幸に陥れる行為があってはならない。不幸を意識している人は、他の不幸を意識している人(こういう人は山ほどいる)と連帯することだ。そうすれば生きる気力が湧いてくる。そして不幸から脱する努力を積み重ねることだ。
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