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童話、童謡、SF、ショートショート、絵本、4コマ-マンガ、算数、数学、英語など(ペンネーム:はくた とおる)

ゲンちゃんデンちゃん

2024-08-30 06:57:33 | 童話
「ゲンちゃんデンちゃん」
 原子のゲンちゃんと電子のデンちゃんは、金属でできた同じアパートの隣同士の部屋に住んでいる。デンちゃんは同じ電子のクーパーちゃんという友達がいて、クーパーちゃんはよく遊びにくる。デンちゃんとクーパーちゃんは二人で外に出ることが多い。それは二人でペアになっていると電気抵抗がゼロなので、遠くまでいきやすいからだ。ただ、今のところ環境温度が低い時だけで、通常の温度の時はそうはなっていない。
 ゲンちゃん「今回はどこまでいったの?」
 デンちゃん「今日は、寒かったから、かなり遠くまでいけたよ。クーパーちゃんもいっしょで元気がよかったからね。」
 ゲンちゃん「まだまだ通常の温度ではだめかい?」
 デンちゃん「温度が高いと、周りとの相互作用で、散乱してしまってだめなんだ。」
 ゲンちゃん「新しい物質が見つからないとだめかもしれないね。」
 デンちゃん「そうだね。今後の研究に期待するしかないね。」
 ゲンちゃん「ところで、ニュートリノのニューちゃんには質量があることがわかったんだってね。」
 デンちゃん「そうなんだ。今までは質量がないと思われていたんだけれど、カミオカの研究であることがわかったんだ。」
 ゲンちゃん「それでも、宇宙の質量の不足分はまかなえなくて、不明な部分がたくさん残っているんだね。」
 デンちゃん「他の物質とほとんど相互作用しないから、とらえることができないんだよね。」
 ゲンちゃん「不思議だよね。そんなたくさん感知できないものがあるっていうのは。」
 デンちゃん「加速器自体をもう少し大きくしていかないといけないかもね。」
 ゲンちゃん「といってもお金がかかるからそれも限度があるよね。」
 デンちゃん「となると、宇宙の観測に力を入れていくしかないってことになるね。」
 ゲンちゃん「そうだね。観測するのは難しいと思われていた重力波をとらえることができたことを考えると、将来的には何とかなりそうな気はするね。」
 デンちゃん「重力波をたくさん出しているものといえば、ブラックホールが考えられるけど、写真が撮られたよね。」
 ゲンちゃん「確かに穴が開いたように見えたよね。」
 デンちゃん「遠くで見ている分にはいいけど、近づきたくはないよね。」
 ゲンちゃん「ブラックホールも長い時間がたつと消滅することにはなっているけれども、現実的には、あまりに時間がかかりすぎて、避けて通るしかないよね。」
 デンちゃん「宇宙ができてから、百三十五億年以上たっているんだけども、その物質の分布には濃淡があって、大規模な構造がみられるというだよね。」
 ゲンちゃん「宇宙ができた初期の物質の揺らぎがそのまま宇宙の膨張に伴って広がっていったということらしいね。」
 デンちゃん「宇宙は一つではなくて、たくさんできていたという話もあるよね。」
 ゲンちゃん「たくさんできた内の一つが我々の宇宙ということらしいね。」
 デンちゃん「我々が存在する条件が整っていた宇宙がどれくらいあったのかは、わからないけれども、少なくとも一つはあったということだよね。」
 ゲンちゃん「そして、生命が生まれて、自分達は何処からきたのかと考えているというわけだよね。」
 デンちゃん「これは今までの歴史だけれども、今後のことを考えると、また複雑な面があるんだ。」
 ゲンちゃん「ある行動をとっている場合と、そうでない場合とに分れていく未来が考えられるという問題だね。」
 デンちゃん「これは二つだけだけれども、もっとたくさんの選択肢がある場合もある。」
 ゲンちゃん「厳密にいえば、可能性のある場合をすべて上げたうえで、そのうちのどれを選んだかによって、未来が変わってくるということだね。」
 デンちゃん「過去は変えられないから、歴史に学んで、今後どうしていくべきかを考える必要があるね。」
 ゲンちゃん「自分達のいる現在のことだけでなく、将来の進むべき方向性を、過去の出来事から失敗をできるだけ減らしていく努力が必要だよね。」
 デンちゃん「残念ながら、似たような過ちを繰り返していることを考えれば、そういうことになるよね。」
 ゲンちゃん「そろそろ、休む時間だから、また次のきかいに話すことにしよう。それじゃ、おやすみなさい。」
 デンちゃん「おやすみなさい。またね。」
 おしまい

ホンくんチズくんー五

2024-08-16 09:08:49 | 童話
 「ホンくんチズくんー五」
 本のホンくんと地図のマチズくんは、とある図書館に住んでいる。ホンくんはたまに借りられて、外に出かけることが少なくない。ホンくんがもどってきた。
 ホンくん「ただいま。」
 チズくん「お帰り。お疲れさま。今回はどうだった?」
 ホンくん「今回の人は、体育会系でジム通いをしていたんだ。」
 チズくん「鍛えている人だったんだね。」
 ホンくん「壁に健康な体に健全な精神が宿ると書いてあったよ。」
 チズくん「いい心がけだね。」
 ホンくん「そうだね。体ばっかりでもダメだし、気持ちだけでもだめで、バランスが必要だよね。」
 チズくん「このところ、隙間時間でも体を鍛えることができるところが増えているよね。」
 ホンくん「そうなんだ。コンビニ感覚だよね。」
 チズくん「長生きしても、病気がちではダメだし、健康な状態でないとね。」
 ホンくん「テレビで見てると、山で一人で暮らしている人は何でも自分でやっているから、足腰は丈夫だし、今日は何をしようという目的があるから、テキパキしてるよね。」
 チズくん「ある種の理想だよね。」
 ホンくん「何か特別なことをするっていうわけではなくて、むしろ、同じ日常をコツコツと続けていくことが大切なんだと思うよね。」
 チズくん「自分で考えて、自分で行動することによって、ストレスがたまらないんだよね。キット。」
 ホンくん「病は気からっていうからね。やる気がみなぎっているときって、体の調子もいいし、気持ちも晴れやかだよね。」
 チズくん「きっと体にアドレナリンがたくさん出ているんだろうね。」
 ホンくん「その他のいいホルモンもあわせて出ているんだろうね。」
 チズくん「病気も逃げるっていうところだよね。」
 ホンくん「リンゴを一日に一個とると、医者いらずだっていう話があるよね。」
 チズくん「きっとあのチョットすっぱいところがいいんだろうね。」
 ホンくん「カゼをひいたりすると、お母さんがリンゴをすってくれて、それを飲んだっていうことがあったけど、知らず知らずのうちに、何となくやっていたことなんだよね。」
 チズくん「お母さんにすれば、ワラをもつかむ思いだったんだろうけれど、手当てというのは、本当に患部に手を当てて、そのぬくもりが、患部の血行をよくしたりして、本来の自然治癒力を向上させようとすることなんだと思うよね。」
 ホンくん「医療の最初の方法は、自然治癒力を使って直すことだったそうだから、理にかなっているよね。」
 チズくん「手術とかはそのあとになってできてきたっていうことだね。」
 ホンくん「骨が折れてても、自然に治っていたっていう話も聞くから、バカにならないよね。」
 チズくん「その場合は、安静にしているっていうことだね。」
 ホンくん「これからの時代は、再生医療の方向に向かうよね。」
 チズくん「ブタの内臓を移植するっていう方法もあるけど、やはり拒絶反応の方が強いから、本人の細胞から作ったものでないと、安心できないよね。」
 ホンくん「ただ実用化するにはまだ時間がかかりそうだね。」
 チズくん「薬の方では遺伝子レベルで操作する方法が実用化されているから、新型コロナワクチンに続いて有用なものがでてきてくれることに、期待したいよね。」
 ホンくん「寿命がのびるっていうことは、これまでなら亡くなってしまっていて、表に現れなかった病気が、顕在化してきてしまったということになるよね。」
 チズくん「ガンが上位にあるのも、そういうことが関係しているかもしれないね。」
 ホンくん「健康寿命をのばすためには、日々生き生きとして体を動かし、そして、心も動かして、これまでと同じ日常を過ごすことこそが大事だよね。」
 チズくん「そうだね。そろそろ閉館時間が近づいてきたから、今日のところはこの辺にしよう。それじゃ、またあした。おやすみなさい。」
 ホンくん「おやすみなさい。またあした。」
 おしまい

ホンくんチズくんー四

2024-08-01 22:11:57 | 童話
「ホンくんチズくんー四」
 本のホンくんと地図のチズくんは、とある図書館に住んでいる。ホンくんはたまに借りられて、しばらくいなかったりする。チズくんは、話し相手のうちの一人がいないので、チョット寂しかったりしている。そこへ、ホンくんがもどってきた。
 ホンくん「ただいま。」
 チズくん「お帰り。お疲れさま。今回はどうだった?」
 ホンくん「おいてもらっていた部屋は、住んでいる人がいるときは、エアコンがきいててよかったんだけど、昼間いないときは、エアコンが切ってあったんで少し暑かったかな。」
 チズくん「それは仕方ないよね。」
 ホンくん「エコは大切なことだからね。」
 チズくん「この前、ニュースを見ていたら、量り売りをしていたね。」
 ホンくん「そうそう、ヨーロッパではけっこう当たり前で、日本でも昔はそうしていたし、今は容器を無駄にしないということで、そうしているみたいだね。」
 チズくん「でも牛乳のビンでの販売は大手でもやめているっていってたね。」
 ホンくん「コストがかかるってことだよね。再生利用しているものといえば、紙もそうだね。昔は、わら半紙とかいってあったけど、今では再生紙ということになっているよね。」
 チズくん「再生紙の方が高いからね。」
 ホンくん「段ボール紙なんかは強度があって、震災のときの緊急のベッドになったり、使い手があるよね。」
 チズくん「ベッドだけでなく、部屋を作ったりもしていたね。プライバシーの保護は大切だよね。ストレスがたまると、せっかく生き残ったのに、災害関連死につながったりするからね。」
 ホンくん「エコノミー症候群も、体をのびのびとできないことから発生するから、災害時といえども、考えておかないといけないことだよね。」
 チズくん「昔の生活というのは、壊れたら、修理してまた使うということで、無駄が少なかったよね。世の中に修理専門の人達がいて、それで成り立っていたよね。」
 ホンくん「あと、材料をもっていって加工してもらうというのもあったよね。」
 チズくん「そうそう。子供のころは、町にポン菓子作りのオジさんがやってきて、米をもっていって、ビニール袋一杯に作ってもらって、みんなで食べたものだよね。」
 ホンくん「もち米をもっていってもちを作ってもらうというのもあったよね。」
 チズくん「修学旅行で米をもっていったこともあったよね。それに登山で、山小屋に米持参というのもあったよね。」
 ホンくん「今でも、山の上でカップメンや飲み物が、やたら高いというのはあるよね。」
 チズくん「運賃がかかっているから、仕方がないよね。コンビニを使うことに慣れてしまって、山の上にもコンビニがあることが当たり前になってしまったからね。」
 ホンくん「山の上の郵便局っていうのもあるよね。絵葉書を書いて、登山の思い出にするために。」
 チズくん「今だと、スマホで写真を撮って、電子メールで送るといったところだね。」
 ホンくん「年賀状がドンドン減り続けてしまっているから、これからは、電子メールの年賀状が主流になってくるかもしれないね。」
 チズくん「お年玉付き年賀状で、切手シートが当たるとうれしいよね。」
 ホンくん「何となく使うのがもったいなくて、たまっちゃうよね。」
 チズくん「でも、今のうちに使ってしまわないと、使うタイミングがなくなってしまうよね。テレホンカードを持ってるんだけど、公衆電話をさがすのが大変だね。」
 ホンくん「ボクも持っているんだけど、すぐスマホを使ってしまうので、使うきかいがないよね。」
 チズくん「電話代として使えるみたいだから、お店にきいてみた方がいいかもしれないね。」
 ホンくん「昔は、電信電話局が町にあったからきけたけど、今は全く見ないよね。」
 チズくん「今は、ワイファイのアンテナがあちこちにあって、防犯カメラなみになってきているよね。」
 ホンくん「スマホ代だけでなくて、データ通信料もバカにならないから、大変だよね。」
 チズくん「月末になったら、なるべく使わないようにして、次の月初めに使うようにしているよ。通信速度が遅くて困るからね。」
 ホンくん「そろそろ閉館時間も近いから、今日はこの辺にして、またあしたね。おやすみなさい。」
 チズくん「それじゃ、またあした。おやすみなさい。」
 おしまい