ぱんどらのへや

ちょっとした子育てに役立つ話を紹介していこうと思います。

お子様の様子が気になるときに。

2024年09月04日 | 職業
夏休みが終わり、学校が始まりました。

学校に行くのが待ち遠しいお子様もいらっしゃれば、
様々な理由で、行き渋るお子様もいらっしゃいます。
保護者としては、いろいろな報道を見て、「不登校?」「いじめ?」と心配になられることもあるでしょう。
「お子様の話を聞いて」と報道で流れることも多くなりました。
(今年は、台風等の災害情報と重なったので、あまり目立ちませんでしたが)

お子様の様子を心配して、話を聞こうとするときの、ちょっとした注意を書きます。参考になれば幸いです。

☆もし、あなたが尋問されたらどんな気持ちですか?
  人は誰でも、心配な時、何か問題を解決しなければと思う時、言葉がきつくなります。問題点を明らかにしなければいけないと気負うほど、〇か×かと問いただすような問いかけになることが多いです。
  相手を心配すればこそですね。そんなお気持ちには共感いたします。
  でも、問い詰められる方にしたら、それは尋問されているようなものです。
  もし、あなたが尋問されたら、どんなふうに答えるでしょうか?
  一つのパターンは、押し黙ってしまうのではないでしょうか?尋問されることへの反発もあるでしょう。勢いにのまれて、言葉が出なくなることもあるでしょう。どうでしょうか?そんな反応を見て、話を聞きたいと思っている方は、さらに不安になって、尋問を重ねます。何か、言えないことがあって隠しているのではないかと。反発されているのではないかと思うと、その反発に対しての怒りも加わって、なおさら引けなくなることも多いです。そうなると、お互いの気持ちが食い違って、泥沼化することもあります。
  二つ目のパターンは、話をしたいのだけれど、聞いてもらえないでいることもあるのではないでしょうか?「どうして?」と聞いていても、「どうして」と言っている方の中に、すでに決まった答えがあって、聞かれた方は自分の気持ちを言っているのに、それを否定されてしまう。最終的には、黙るしかないか、質問してきた人の意見に合わせるしかないことになります。
  三つ目のパターンは、尋問された人が満足をするような答えを探して答えることです。大人でも、その場に合わせて都合のよい話をすることもあります。その場逃れに、相手が満足しそうなことを言う時もあります。子どもでは、無意識に、目の前の大人が望んでいそうな話をすることが多いです。だから、司法の現場で子どもに証言をしてもらう時には特に注意が必要で、そのためのインタビュアーが話を聞くようにすることもあるほどです。計算して、子どもが嘘を言っているのではありません。子どもは誰かに保護・養育されなければ生きていけません。それほど、保護・養育してくれる人の存在が大きいということです。このパターンで気を付けなければいけないのは「どうして学校に行きたくないの?」と聞いて「〇〇ちゃんが…」「先生が…」とお子様が答えた時、それを行き渋りの理由と断定してしまうことです。「どうして」と聞かれた時、お子様は一生懸命に考えます。そして、一番早くに思い出したことを伝えるということもあるのです。また、考えている間に、保護者の方が矢継ぎ早に「お友達と何かあったの?」「先生と何かあったの?」と言われて、「うん」と言ってしまうパターンもあります。でも、それはよくある日常の一コマで、別の日には「〇〇ちゃんと遊んだ」とか「先生に褒められた」とかになることもあるのです。一つの事実だけではなくて、総合的に把握していくことが大切なのです。

☆総合的に把握するということとは?
  学校での様子を保護者の方がずっと見ているわけにはいきません。だからこそ、心配になるのですね。最近の学校は、保護者が見学したいと言えば、授業参観日以外でも受け入れてくれるところもあります。とはいえ、毎日行くわけにはいきません。
  せめて授業参観日に様子を見ると言っても、授業参観日は子どもにとっても特別な日。いつもよりおりこうさんになっていることが多く、保護者の方が知りたい素の様子を見ることがなかなかできにくかったりします。それでも、顔の見える関係・・・同じクラスの子、せめて、お子様がお友達として名をあげる子と顔なじみになっていると、お子様が語る学校での様子もイメージしやすくなるのではないでしょうか。
  また、最近引き受けてのいないPTAですが、日常的に学校とのつながりがあれば、学校・クラス・先生・保護者のイメージがしやすくなります。学校によっては、PTAとは別にお父様の会を作って月1度くらいに活動しているところもあります。クラスが荒れそうになった時に、この保護者ネットワークの力もあって、立ち直ったこともありました。いろいろな方のいらっしゃり、お付き合いが難しいママ友・パパ友ですが、一つの方法ではあります。

☆ご家庭の中で、できること。
  学校で壁にぶつかっても、ご家族にパワーをもらって乗り切ることができる。そんな経験はありませんか?
  まず、チェックしてもらいたいのは、生活リズムです。長期休みの間は、ふだんよりも、遅寝・遅起きになりやすいもの。ましてや、ここ最近の熱帯夜。睡眠の質が悪くなっていることもあります。それで調子が悪く、ぐずっていることも多いです。また、気ままな生活をしていたのが、急に時間割に縛られた生活になるというのもかなりのストレスです。習い事や塾・学童・部活に行っていたとしても、学校のリズムとは違うもの。その変化に戸惑うお子様もいらっしゃいます。
  お友達付き合いも、少数精鋭から多数とのやり取り。教室の人口密度に疲れを覚えるお子様もいらっしゃいます。
  宿題。最近は、昭和時代に比べて宿題が少ない場合もありますが、提出期日に間に合わない状況は相変わらず。高校・中学校受験で、長期休暇中も塾の宿題に追われていたお子様もいらっしゃるかもしれませんね。宿題は、社会に出てから、仕事の納期に間に合うように段取りをする練習と言う方もいます。だとすれば、無くせばよいというものではありません。長期休暇中から計画を立ててこなすのが一番ですが、そのようにできる人ばかりではありません。期日に遅れたなら遅れたなりにどのように対処すればいいのか(先生に謝って期日を延ばしてもらうとか)、挽回の練習をするチャンスと、保護者の方がお子様にアドバイスしてくださればありがたいです。
  そして、一番大切なのは、急がないこと。すでに、4月~7月まで馴染んできた学校です。少しずつ慣れていけば調子を取り戻していきます。
  家に帰ってきたら、笑顔で迎えて下さい。もしくはお仕事から帰ってお子様にあったら、笑顔で挨拶してください。不機嫌な顔をしていることもあるかもしれません。お互いさまです。保護者の方もお仕事や、家事の段取りなどでうまくいかずに不機嫌になることがあると思います。そんなときに不機嫌な顔で返されたら、余計に気分が悪くなります。そこは突っ込まずにしばらく様子を見ることにしてください。
  そして、1日5分でも、1週間に30分でも、お子様と楽しむ時間を作ってください。大切なのは両方が楽しいことです。お子様だけが楽しいのでもダメです。保護者の方の趣味にお子様を突き合わせるのでもダメです。そこで楽しむことはエネルギーチャージになります。そしてそんなコミュニケーションととっていると、お子様が困ったときに何かしらのサインや話をしてくれます。話をしてくれたら、結論や解決を急がずに聞いてあげて下さい。

☆それでも、行き渋りが続くとき。
  長期休暇前には馴染んでいた学校だから、時間はかかるかもしれないけれど、元に戻ると上に書きました。
  大半は、戻るのですが、少なからず、行き渋りが続き、不登校状態になることもあります。いろいろなことが考えられます。過剰適応が続いており、もう続けられなくなった。受験などが控え、将来が不安になった。精神が発達したことにより、バランスが崩れ、今までのようには行けなくなった…。ホルモンバランスの変化により、今までのようには行けなくなった。他にも、他にも…。
  そんな時に、行く行かないのバトルをしてもお互い消耗するだけです。できれば、学校や専門家と一度話をしてみることをお勧めします。三人寄れば文殊の知恵。何か、新しい世界が開けてくるかもしれません。

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