中島みゆきの新譜『いまのきもち』について

いまのきもち 中島みゆき, 瀬尾一三 ヤマハミュージックコミュニケーションズ このアイテムの詳細を見る

このアルバムについて、このカテゴリーで、一曲、一曲、詳細な感想を書いておこうと思っていたのでしたが、正直言って、まだ、一曲、一曲を詳細に語れるほどに「聴き込めて」ません。

どうも、このところ、中島みゆきの新譜の発売タイミングが、私にとっては良くないんですよねえ。

前のアルバムのときも、確かそうでした。
PANTAの仙台ライブ前後の時期と重なってしまってて。。。(笑)

もともと、不器用な方なので、ひとつのことに、のめりこんでしまうと、もう、他はよせつけないんですよね。

また、PANTAときたら、この所、実に良い状態で(そのわりには活動が少ない!!と思うのですが)ライブを体験してしまうと、しばらく余韻が冷めることが無くて。また、自分としても、いつまでも続く限りは、余韻に浸っていたいという気持ちもある訳で。

毎日の自転車、バス、徒歩の三段構え通勤は、お陰で、このところは、もう、楽しくて仕方ないのです(笑)
MDウォークマンで、ずーっと、PANTAを聴きながらの通勤です。幸せです。

以前、仕事しないで、家に居たときや、すぐ近くのクリーニング屋でバイトしていたときには、こんなに「音楽」を聴けてなかったですから。

家に要ると、掃除機をかけたり、食器を洗ったりでは、音楽を部屋に流していても、騒音でかき消されてしまうし、ついつい、音楽を聴くよりも他のことをやってしまっていたり、子供たちが帰って来てしまうと、また、うるさいし、テレビ着けられたり、友達連れて来られたりで、結局、じっくり音楽なんて聴いて過ごせません。

ネットオタなので、ネットやりながらも、音楽は聴けるのですが、それも、私の場合何故か、あまりやらないですねえ。

結局、通勤でのMDウォークマンが、一番じっくり音楽に浸れている時間のような気がします。
夜、寝ながらにもMDを聴きながら寝たりもするのですが、私は、横になったら、最後、数分(数秒?)で、眠れてしまう方なので、いつも、寝ながら聴こうとすると、たいてい最初の一、二曲程度しか、聴いた気がしてないんですよねえ～～(爆)

私にとっての「音楽」って、ただBGM的に流れてくれていれば良いというタイプのものではなくて、聴き込んでしまうので、今は、通勤が一番「聴き込める」環境のようです。

たまに、ダンナが一緒に会社までクルマに乗せて行ってくれるときがあるのですが、そうすると、カーDVDで、大塚愛か、川本真琴か、東京事変を聴かされてしまう訳で(笑)
クルマに乗せてもらえるのが、ありがたい反面、内心、PANTAを聴けなくて残念がっていたりする自分が見え隠れしたりしてます。

★おっと。。余談?が長くなってしまいましたが、それで、ちゃーんと、発売日に手にした中島みゆきの新譜でしたが、どうも、まだ、頭の中がPANTAに占領されてしまっていて、通勤に聴くのにMDを選ぶときには、どうしてもPANTAになってしまってます。だめだ、こりゃあ～～。重症(爆)

それでも、当初は、一度聴いてしまったら、中島みゆきにも、かなり思いいれを持っているので、すっかりそっちの世界に行くのかと自分でも思っていたりもしたのでしたが、うーーーーん・・・・

期待はずれ。。と言うよりも、そうか・・やはり、こういう感じだったのねえ～～という、初めて聴いたときの感想でした。

アレンジャーが瀬尾一三氏なので、彼は、このところストリングス系にハマっているから・・・

やはり、全体的に、実に、しっとりとしたスムースなサウンド、そして、みゆきさんのボーカルも、もはや、すっかり「洗練された」と言いましょうか、聴き易くて、上手い!!んですよねえ。
そして、なんとも、上手い中にも、「やさしい」というか、暖かく、包み込んでくれるような、包容力に満ちたような、風合い。さすがキャリアを積んで、もはや、完成した感がありましたね。
これぞ、到達点?

ありゃ?!!
それでは、申し分の無い出来の、良いアルバムなのでは?と、ここまで読んでいる方(←読んでくれている人が居るのかどーかは、知らないけれど)(爆)が、いらっしゃるとしたら、思いますよね。

アナタは、それで、何が不満?なのよーーー???(^_^;)

いや、だから、その風通しの良い・・・というか、しっとりした、実に聴きやすい、アレンジと、ボーカルが、ですね。。。。

これが、私には、やや予想したとおりの、「期待ハズレ」なんですね。
訳わかりませんか?

私は、そもそも、中島みゆきの「毒気」というか、「重さ」と、アクの強さ、その独自の個性が好き!!だったのです。

昔は、どーーんと、野太い声で、「♪はじめましてーあーしたー、はじめましてーあーした」と、ロックコンサートのようにライブで、がなり声のごとくに力強く、歌ってくれていたりしたものです。

オリジナルの「土用波」なんて曲は、曲調は、ちょっと演歌っぽいような趣もありつつ、アレンジは、ギンギンのロックで、HAMMONDに上綱克彦、GUITARは、北島健二と斉藤英夫、もう、本当にカッコ良かったのに。

怨念(笑)漂う「玲子」のアクの強さも、オリジナルは、絶品だったのに、今回のは、なんだか、さばさばした感じで・・・。まあ、歳を重ねて、キャリアを積んで、確かにみゆきさんも、洗練された「大人」になりました。

「中島みゆき?暗いのね」と言われた、あの頃が懐かしいです。
(また引き合いに出すかー(笑)⇒PANTAファンのように、「隠れる」のが上手かった、中島みゆきファンも、今は、紅白にも出て、ミリオンセラー歌手の仲間入りをして、もう、恥ずかしげも無く(笑)みな、堂々としたものです。

それに伴い、中島みゆきの過去の曲も、こんなんでは、ダメだ?っていうんでしょーか、もっと、大衆にも、聴き易く、しとかなければ?

まあ、これは、あまりにも、ヒネクレ過ぎた発言ですけど(^^ゞ
そこまでの意図は、無かったと思いますが、ヒネタ私には、そんな風にも捕らえたくもなってしまうような、今回のセルフカバーアルバムでしたね。

とにかく、ロスで、凄腕の外国人ミュージシャンを使って、お金かけまくってて、それは、もう、良い音で、上手い演奏で、聴きやすいアレンジで、洗練されたボーカルで、素晴らしく仕上がっているんだと思いますよ。

でも、違うんだ。私の好きな中島みゆきは。。。。

これが、中島みゆき本人の「いまのきもち」であることには、違いないし、否定はしたくないのですが。（もう、瀬尾さんを信頼し、尊敬しているのね。幸せそうで、なによりです)

で、でも、違うんだー、私が好きなのは「ご乱心時代」と言い放たれた、ロック色に満ちた、カッコイイ、アレンジと、アクの強いあの曲たちと、あのボーカル。

初期のおどろおどろしさは、私でも、あまりに、重すぎると思わないことも無かったですけど(笑)
でも、あの世界も、好きだった。
独特の世界に連れて行ってもらえましたよ。

昔、ユーミンが、中島みゆきについて、
●「たとえば、私がせっかく乾かした洗濯物を、また、じとーっとしめらせてしまう、こぬか雨のようなんだよね。」って表現していたことがありました。
●「でも、そうやって、これからも一緒に、日本の布地に風合いを出していきましょう」と締めくくられておりましたっけ・・・。

そして、あれから、もう、何年時が過ぎたのかなぁ?

今回のアルバムの中島みゆきの歌たちは、もはや、「じとーっとしめらす、こぬか雨」とは正反対に、「とっても風とおしの良い中で、すっきり、さっぱりと乾ききった、さわやかな洗濯物」になったみたいです。

まあ、これが、正真正銘、「いまのきもち」というのならば、致し方ありませんけど。

何度か、聴いて、本当に、さらっとしてて、聴きやすくて、、、。

PANTAのロックを聴いた後だったので、なおさらに、私には、物足りなかったのでしょう。
これもまた、私自身の「いまのきもち」

親愛なる、中島みゆきさん。「いまのきもち」としては、今のところ、ちょっとすれ違ってしまっていますけど、それでも、春のツアーに行くのは、楽しみにしてます。

また、春になれば、私の「いまのきもち」も変わるでしょう。(^^ゞ

もう、なんだか、異様に長くなったなぁ～。
もう、なにがなんやら、わからなくなってきた、今宵。。。さあ、寝ます。おやすみなさい。