お気楽ナチュラリスト

都内に住んでも心はナチュラリスト。
週末は山と川で遊びたい。

息子の3000mデビュー

2012年07月29日 | 登山
息子も小学校5年生になった。
昨年から約束していた3000m峰にチャレンジする夏だ。
候補地としては、北岳、奥穂・北穂などがあったが、アプローチの距離と天幕類を担ぐ自分自身の体力のことを考慮し、立山に決定。


21時30分に自宅を出発し、立山黒部アルペンルート長野県側の起点となる扇沢に着いたのは、日付が変わって深夜1時40分。
満天の星が瞬く駐車場で仮眠をとる。


6時50分からチケットが販売される。
室堂までの往復チケットだが、今回はファミリーきっぷ(大人1人、子ども1人)が適用され総額10050円だった。決して安くはないが、普通に買うより3160円お得。5日間有効。ちょっと遭難しても大丈夫(笑)


始発のトロリーバスは7時30分だ。

ここから室堂まで4つの乗り物を乗り継いでアプローチするわけだが、これが面倒なんだよね。
はやる気持ちを抑えつつ観光気分で行くのがよろしい。


トロリーバスを下車し、冷涼な空気が流れる暗いトンネルを歩いて行く。

出口の先に見えてくるのが…


黒部湖。

でかいイワナがいるんだろうなぁ。。。


お約束の黒部ダム放水風景。

これは何回見ても迫力がある。
息子も目を丸くして感動していた。

黒部ダムの堤頂部を歩くこと800m。
次は、ケーブルカーに乗り継ぐ。

最大傾斜は32度。


お次は、リフト。

黒部平から大観峰まで、一つも柱がない国内最長のワンスパンリフトだ。
柱を立てても雪崩で壊れてしまうので、この方法でやるしかないらしい。
いったいどうやってケーブルを張ったんだろう???

そして、そして、最後のトロリーバス。



立山直下を貫くトンネルを抜けると、そこは富山県。
立山登山の出発点となる室堂平だ。

いやはや、ようやく着いた。長かった~。
時刻は、9時30分。扇沢を出発してから2時間かかった。


室堂平は、富山県側からバスで入ってくる人々もいるので、大勢の登山者で賑わっている。
夏山のムードを満喫する笑顔で溢れている。
こういう開放感は、夏山独特のものだ。
ちなみに、冬山に入る人々の顔は、皆しかめっ面である。寒いからね、そういう表情しか作れないの(笑)。

全国名水100選の「玉殿湧水」で冷たい天然水をポリタンに詰め、いよいよ登山開始である。


まず、一の越をめざして整備された登山道をじわじわ登っていく。
登山道を行く人々の会話に関西弁が多いことに気づく。
北アルプス北部は、関西からも入山しやすいエリアなんだと思う。
外国人登山者の姿もちらほらと。

私が以前このエリアに来たのは1998年だから、14年も前のことだ。
あのときは劔岳が目的だったのだが、立山連峰もついでに縦走した。
8月下旬のことだったので、雪もだいぶ少なくなっていた。
今回は、一般登山道にもまだ雪がたくさん残っていて、息子はそれだけでテンションが上がる。

ストックを突き、キックステップで雪面を登っていく息子。
目的のピークは、画像左上の雄山(3003m)である。

今回から息子のザックを大きめにした。
前に娘が使っていたミレーのアタックザックである。
ザックが大きくなると、それだけで息子も逞しく見えるから不思議なもんだ。

夏山は、高山植物を見るのが楽しい。
これはチングルマの群生。

チングルマは、これでも立派な落葉低木樹。
花の下に伸びるのは、茎ではなくて幹なのである。
あの細い幹にも年輪があるらしい。(見たことないけど…)


登山道は、次第に傾斜が増してきて、つづら折りを登り切ると一の越に到着。

画像の建物は、一の越山荘。
多くの登山者が思い思いに休憩している。

今登ってきたルートを振り返る息子。
遠くに室堂平そして大日岳が見える。


ここで、私の大きいザックをデポする。
息子のザックの中身を雨具と行動食及び水だけにして私が担ぎ、息子は空身で登らせることにする。
体力面というより、浮き石が多く、ザレたところも多くなってくるので、足下の安全を確保するのがねらいだ。

一の越から山頂へと続くスカイライン。

頂上のように見える所は、まだ中間点(四の越付近)。
ピークは、さらに先になる。


空気が薄くなってきたせいか、息子はしきりに水を飲みたがる。

頂上はまだ先だ。じっくり行こう。


登山者が多く、ルート上は終始渋滞気味だったが、適当に休みを入れながら登るには丁度よかったかもしれない。
四の越を過ぎると、ルートは左を回り込み山頂が見えてくる。
息子は息も切らさず登っていき、こっちが置いて行かれそうになる。

五の越の祠を過ぎれば山頂直下、そしてピークへ!



立山(雄山)山頂3003m、完登!
力強く登れたね~、おめでとう!!


登頂記念は、毎度おなじみ山バッジ。これがモチベーションなのだ。

頂上の社務所で、家族や友達へのお土産としてお守りも一緒に買う。
3003mで買ったんだから、効果テキメンのはず。


五竜・唐松・鹿島槍といった後立山連峰の秀峰を眺めながら行動食をモリモリ食べる。
汗で塩分が抜けたせいか、息子は甘いものよりチーズや柿の種、ビーフジャーキーを好んで食べた。

さてさて、これから下山だ。油断しないで行こう。
今日は雷鳥沢でキャンプだ。
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2 コメント

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Unknown (masuturi)
2012-07-31 10:52:36
決められた登山道しか歩かず、せっかく都会から離れてもこの人混み。正直何が楽しいんだろうと思ってましたが、一の越山荘からの眺めはいいですね~。
これが実際に見られたら、もうすごいことになるんだろうな。

そしてお子さんにこういった異世界を体験させてあげられる父親ってのは、また良いもんですね。
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お返事 (papachan)
2012-08-01 21:42:22
>masuturiさん
こんばんは!
夏山は確かにmasuturiさんのおっしゃるとおり、混雑に辟易する部分があります。
空いているところ…というと、次第に登山道から離れ岩壁にすり寄るようになり、夏は避けて厳冬期にということになります。(笑)
息子もそうなるのでしょうかねぇ。。。
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