春といえばこの味

２週間ぶりに渓に立つ。
まだ芽吹かない木々の様子は前回とあまり変わらないが、スギ花粉だけは猛威をふるっている。
もうこうなると薬ぐらいでは間に合わない。
マスクをしていても、目がもう痒くて、痒くて…


入渓した区間は、つい最近誰か入ったみたい。
歩く先々のフキノトウが摘まれているので、よくわかる。
摘み取った跡が新しいので、入ったのは昨日あたりだろう。


しばらく音沙汰なくキャストを繰り返す。
フキノトウの摘み跡がなくなってきたころから、ようやく渓魚の反応が出てきた。


ヤマメの顔を一つ二つ見た頃には、もうフキノトウに心が移っている。
食べごろのやつがポツポツ顔を出しているではないか。


釣りもそこそこに、山菜採りおじさんに早変わり。
鮮やかな黄緑色を摘むたびに、あの独特な香りが鼻孔をくすぐる。

今日の夕飯のおかず分は、確保できた。
さあ、春の味覚を堪能しよう。


春はアクの強い山菜を食べることで、体に刺激を与える。
フキノトウは天ぷらと味噌汁にして堪能した。
やっぱりこれを食べないと春が始まらない。