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a green hand

秋が指にとまりました。

このタイトルは昨年10月10日、姪のインスタグラムに投稿されていた。
ここを超えないと進めないと思い、勇気を持ってblogに向かっている。

姪のインスタの存在は知らなかった。
6月16日、私の姪は突然にこの世から去ってしまった。

祈る時すら全く私に与えずに。
おそらく姪自身、自分がこの世から消えてしまうなどと少しも思ってもいなかったにちがいない。
信じられず、受け入れることが出来ず、私はできることなら通夜も告別式にも出席したくなかった。
とにかく逃げたかった。

母のショックは計り知れない。
姪の母、すなわち私の妹も42歳という若さで病気で亡くなっている。
その妹と姪が私の中でぴったりと重なり、私は姪の名前を何度も何度も妹のそれと間違えた。

インスタには、左利きの姪の人差し指にトンボが止まっていた。

姪の最後の秋である。

料理好きの姪、家族のお弁当や夕食のご馳走で日々埋め尽くされていた。
その中に手作りの刺繍作品が残されていた。

テッシュペーパーカバーには姪が好きだというキノコ模様が刺されていた。
その作品は最愛の祖母にプレゼントされていた。

退院した母を励ましに2人の息子とともに来てくれた。
ついこの間のような4月4日である。

母にようやく会えて、会えた事をとても喜んでいつものように母を励まして …。


この世から去ってしまった後に見る姪のインスタには何とも言えないものが漂ってくる。

姪から紹介される本や映画は独特の良さが伝わってきて魅力があった。

矢車草や小さな花が好きだった姪は、私の庭の小径の部分を「私はここが一番好き」と何度かつぶやいていた。

私は、その小径の部分に命をかけた。
溢れる想いを込めて、「姪の小径」と名ずけた。

今日も雨の中、想いを込めた。

庭に出ると花々に秋が止まっていた。




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