昨日の検査は、思ったとおり大変だったことがわかる。
大腸S字結腸に癌を認めたという。
91歳のただでさえ弱りきったからだに無理を強いるところが病院なんだと思うと腹立たしい。
本人の許可がないと検査はできないといい、5分前のことも忘れてしまう義母に医師は許可をとるようにいう。
「検査までして長生きさせてもらうことはない」と本音を呟く母も医師を目の前にすると素直に頷く。
老いて自分の意のままにならないことはなんと悲しい・・・。
瞬間的に頑張り、あとでぐったりする義母が検査後にどうなるかはすぐに検討がついた。
声もかすれ、何も口にできないほど力を失くした母をみるのはつらい。
夫が、今日一日、母のそばで過ごす。
夫はまるで多動の子どもみたいに落ち着かない。
やれタバコだ、遅めの朝食だと、病院でも自分のことで忙しい。
そんな夫がようやく落ち着いたので全く食欲のない母に寝たままでいいから重湯をあげてくれるように頼む。
息子がスプーンや吸い飲みで口に運んでくれる流動食を申し訳なさそうに少量口にしている。
起き上がる元気は全くなく、寝ているのが一番楽のようだ。
夫が外で食事をしてくるというので、帰りにアイスクリームを一つ買ってきてと頼む。
大分時間が経っても夫は帰ってこない。
しばらくして、部屋に入る足音がした。
その姿に見向きもしないで黙って不機嫌そうに本を読み続け、顔を上げた。
すると、夫の足音と思ったのは院長先生だった。
きっとひどい顔で院長先生を見上げたにちがいない。
先生は、私のふてぶてしさになんだろうこの人はと思ったに違いない。
弱っている義母を眺めながら「検査の後で元気がなくなったのですね、申し訳ありません・・」という。
「娘さんですか、昨日の検査の結果でどうするかご家族で相談しておいてほしいのです。」という。
義母がそのときに目を覚ました。
「お母さん、何か先生に聞きたいことはありませんか」と聞いたが、その元気もない。
その後、義兄や姉が見え兄弟そろって話し合いをするためにミーティングルームへと移動した。
アイスクリームを母の口に持っていくと5~6口、冷たくておいしいといって食べてくれた。
しばらくして部屋に息子や娘が集まると、笑顔が戻り、目もすっかり覚めたようだ。
嬉しいんだなと思う。
話し合いの結果はまとまらなかったという。
4つの選択肢があり、一つを選ばなければいけない。
親の気持ちを優先できない事情というものにそれぞれの息子、娘はぶつからないといけない。
辛いだろうなと思う。
義母ということで蚊帳の外にいるわけではないが、心ある結論が出てほしいと願う。
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