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a green hand

醸成

「すごく喜んだよハル、プールの中で踊ってた」「えっ?サッカーで点をとったときみたいに?」ハルが苦手な泳ぎを克服したときのことである。
僕だけ泳げないの、プール開きは休みたいと落ち込んでいた。
パパの出番だった。

温水プールで4時間、3時間目に泳げるようになったという。
「ハルもうれしかっただろうけど、あなたもうれしかったでしょう、ハルにすっかり信頼されて・・」

「Yちゃんを大事にするのよ、自分の子どもでなくてもハルだってみんなにお世話になってるんだからかわいがるんだよ」と説教になってしまってる。

「可愛がってるよ」と言い、そうそうに電話を切ろうという態勢である。

2時間が経過しても泳げず、終了になり、次の2時間までのあいだ、少し時間があったらしい。

そして泳げたのは3時間目に入ってすぐだったという。

私は思う、それが醸成の時間ではないだろうかと。

息子もハルも泳げるようになりたい、泳げるようにしたいという切羽詰まった中でふと、息をついた瞬間に神さまが入り込んだにちがいない。

それからの2時間はうれしくてうれしくて夢中で浮いてバタバタしていたらしい。

浮いてバタバタして息がつづくまでの距離、5メートルがハルのこの世で一番うれしい時間だったはず。

そして息子が子どもにしてあげた今までで一番の達成感だったと思う。

父親としてのコツをつかめたのは多分Yちゃんとの日々の生活が無関係ではないはず。

ハルと同じ年齢の子どもをもつ人とのご縁は、息子がハルの成長に沿って付き合っていける神様からのプレゼントのようなものである。

何事にも醸成はあると感じている。
それは神の計らい?
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