ポーランド ワルシャワから福島県郡山市にやってきた。
余談だが、50代から10年間、貧乏個人旅行で「美術館巡り」をしたことがある。
フランス、イギリス、スペイン、スイス、オランダ、イタリア、ロシアなどである。
世界の主だった美術館巡りを楽しんだ過去は懐かしく人生における貴重な体験となった。
一緒の友がアメリカとドイツには行きたくないというので素直に従い、計画は全て担当した。
観たい絵画と計画する充分な時間とエネルギーが50代にはあったからだ。
ポーランドは行ったことがなく、私の中のイメージは、「夜と霧」にあるアウシュビッツ収容所、ショパンコンクール、2018年にノーベル文学賞を受賞した オルガトカルチュクのエッセイ「優しい語り手」と絵本「迷子の魂」、そしてポーランド食器ぐらいである。
ポーランドにはコペルニクスやキュリー夫人も居たんだな〜と我が未熟度を実感した。
ポーランド ワルシャワにあるこの美術館は、現地の人も知る人が多くないと言われているようだがどうだろうか?
英語圏ではないので言葉の壁などのせいでは?と勝手に思ってみる。(ベルン美術館を探し求めて市中の人に聞いた経験を思い出す)
化学者とその妻から寄贈されたコレクションを元に設立されたという。
個人のコレクションと考えると、どんな化学者でどんな内容の研究をした人なのかとか神話や宗教画にみられる女性の美に精通されていたのは化学者の妻なのかだとか野次馬的な興味関心が広がってくる。
第1章 母と子
エミール・ミューニェ「届かぬもの」
ムリーリョ 「聖母子」
第2章 神話と伝説
第3章 肖像
ヤン・メイティンス「ディアナに扮する少女」
15世紀以降のコレクションで、郡山に来たのは16世紀、ルネサンスから400年の西洋絵画の61点である。
常設展も含め、たっぷり2時間ぐらい滞在しただろうか。
購入したポストカードであるが、印刷と絵画で大きなギャップがありすぎる肖像画は避けた。
裕福な階級の装飾品等は質感や豪華さにおいて感じとったものが損ないそうなのだ。
写真の肖像画であるが、その当時の肖像画に神話の神々に扮する格好で描いてもらうことがあり、少女は頭に月、狩の格好をしている。
ディアナはロシア神話「狩猟、貞節と月の女神」とある。
新月の銀の弓を手にする「純潔」が特徴とされる。
なんだか訳もわからずそのような神に扮装させられ画家を見つめていただろう女の子を想像すると、なんとも言えずだな〜。
その表情に魅せられた一枚である。
夫は神話や旧約聖書等に詳しいので、第2章は説明してもらいたかったがそれぞれのペースを崩すことはなかった。w
郡山市立美術館だが駐車場から降りる急な石の階段が意識され、きつくなったと老いを感じた美術鑑賞でもあった。
お天気に誘われ、母を妹にお願いしての外出であった。