昨年の11月、貧血治療も終盤となり、気力も沸き、庭で遊び過ぎた。
春の庭をイメージして庭を頑張り過ぎたのだろう。
ある日突然に膝が腫れて重苦しい感じがした。
いよいよ来たかと思い、年齢を意識した。
それでも諦めきれずに、これは歩けば治るかもしれないと常に散歩をしていないのに歩いてみたりした。
引き攣ったような膝裏の筋肉をほぐしたり撫でたりして日々を過ごした。
ご先祖さまへの朝のルーティンも立ったままの姿勢で勘弁してもらう。
なかなか治らず不安になり、数人に話してみた。
一番参考になったのは幼馴染のY君の言葉。
「そんな散歩なんてしないで休ませればいいんだ。」
そっか、使い過ぎたのだから休ませればいいんだと素直に思い、たった一度きりだったが散歩もやめた。
次に参考になったのは妹のふくらはぎを伸ばす方法。
高さ15センチぐらいの踏み台の縁に足の半分以上を後方に浮かせた状態に置きグッと踵の部分を下げる。
ふくらはぎの筋肉が痛いほどに伸びる気のする荒療法である。
これもきちんとしたことが苦手な私には良い方法で、気が向いた時にだけ言われたようにやってみた。
そして最後は最近のことである。
久しぶりに我が家を訪ねてくれ、ポストにお土産を置いて帰ろうとしたNさん。
Nさんは5才上で、新社会人となった就職先での栄養士兼調理師の同僚である。
食事や健康についての知識に滅法強く、今まで度々お世話になってきた。
お土産も凍豆腐袋一杯 柚子と つきごま である。
凍豆腐は、生産者さんから直接手に入れた規格品外の商品であると言う。
たんぱく質源であり規格品を普通に買うと結構高い。
贅沢に使って料理ができるのでありがたいしかも全て健康によいNさんらしいお土産である。
そのNさんの後ろ姿をつかまえて、膝のことを話してみた。
すると「それ治るよ」
その希望の持てるNさんの言葉から数日後のことである。
あれ?治ったかもしれないという手応えを感じた。
どこにも触らずに座ることができ、立つことも出来たのである。
凄い、Nさん。
膝に注射をするなどと聞いただけで恐怖であり、絶望的であった2ヶ月前。
注射もせずリハビリに通うことも無く膝が治ったのだ。
私は病院が怖く、滅多に行かない場所だったが、ここ5.6年は夫や母のことで病院づくめである。
昨年後半は自分の貧血で町医者とのご縁があり過ぎた。
持病が貧血のようなもので、「疲れると寝る」を繰り返しては回復していた。
若い時からの怠け病である。
しかし、昨年の6月はストレスが重なり、寝るだけで貧血は回復しなかった。
歯科だけは自然治癒力は望めないので行くとして、大抵の身体の痛みや咳や熱はじっと耐えて治るのを待つ。
何かあれば町医者という母親の行動に子どもの頃から不満がつのっていたのかも知れない。
贅沢な話ではある。
扁桃腺が弱く度々熱を出していた私なので、その度に町医者に連れていかれた。
相当不満だらけの表情で順番がくるのを恐れていたに違いない。
いよいよとなった時、診てくれる先生を睨んだり悪態を突いたりした信じられない子どもであった。
そんな医者嫌いの私は、娘と息子の風邪や発熱ぐらいは自分の命をかけて治した。w
私に健康面を育てられた子どもたちだが、大人になると具合が悪いとすぐに自主的に通院するようにどちらもなっていた・・。
それはそれで安心できるからいいのだが。w
学生の頃に保健衛生?だったかの講義で「自然治癒力」という魅力的な言葉に出会った。
それからというものそれを信じている私がいた。
大袈裟に言えば小さい頃の町医者心的外傷かも知れない。
中学生になってからでさえ予防接種から逃げたことがある。
老人になった今でも整形外科にもいかず、サプリにも頼らず、不安に打ちひしがれながらも2ヶ月を我慢した。
人の意見を聞き、実践をしてみて最後にはNさんの「それ治るよ」で治ってしまったのだからおもしろい。
全治2ヶ月である。
これも自然治癒力といっていいのだろうか?
時間はかかるかも知れないが、今でもどこかで自然治癒力を信じているのだと思う。
当時の保健の先生に「高齢でも自然治癒力は大丈夫ですか」と質問したいところだが半世紀も前の事である。