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a green hand

お祝いのケーキになって良かった

 28日に、今年初のブラウニーを焼いた。

28日は息子の誕生日である。
 
そして気になる29日は、夫のペット検査の結果がわかる日。
何の因果か私の誕生日あたりに検査があり、息子の誕生日辺りに結果がわかるという。
 
年末から鬱々としていた。
結果がどう出ようと強くならねば。
結果が出る前に楽しんでおこう。
 
と、いろいろな気持ちが錯綜し西洋美術館行きを決めたのである。
 
夫は2017年夏に、悪性リンパ腫に罹り入院治療。
2020年、コロナ禍の冬に再発し、入院治療をした。
 
非ホジキンリンパ腫第Ⅳ期、5年生存率20パーセントの説明を担当医から当時に受けていたという。
 
それを6年経った昨年末に初めて息子と娘が私に話してくれたのだ。
夫も私も「5年生存率20%」を知らずに生きてきた。
 
昨年12月の血液検査で、悪性リンパ腫の腫瘍マーカーが高くなり、ペット検査になった。
 
自覚症状はないんだけど、再々発はもう終わりだなと、夫。
暗い年末を過ごした。
それだけで無く、夫の昨年は、散々であった。
 
半年の間に、夫のすぐ上の姉と2番目の姉の息子、そして年末に1番上の姉が亡くなったのだ
 
5人兄弟の末っ子である夫は兄弟の死に初めて出会った。
 
 
結果がわかる29日、夫も私も複雑な気持ちで朝を迎えた。
 
 


 
「このケーキがお祝いのケーキになるか残念なケーキになるか」といって夫に見せた。
 
「何かあったら電話くれるんでしょう?」
「あっても無くても病院から電話するから」
 
12:30電話が鳴った。
第一声の声のトーンにホッとする。
 
お祝いのケーキになった⁉️
 
漸く、遅い新年を迎えた気分になり、心が軽くなった。
 
帰ってきた夫に「美術館行きもね、結果が怖いから結果が出る前にと計画したの…」と白状した。
 
「そんなこと考えてたの、面倒なことが起こる前に楽しもうと」
いつものひどいジョークが戻ってきた。
 
 
 
 
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