a green hand

義母の看病

昨年末、義母が入院した。
91歳という高齢ではあるがしっかりものの義母。
骨と皮だけになった義母の小さなからだ。
左臀部に発赤ができ始めた。
軽度とはいうが人間の体の不思議さを思う。
看護士がそこへフィルムのようなものを貼り、今日の日付をマジックで記した。
空気に触れないようにするというが私にはその理屈がわからない。

退職をしたときに、友に勧められヘルパーの免許をとった。
が、とっただけでそれを利用したことはない。
足腰が弱っているにもかかわらずオムツに排泄をしない義母は看護士かヘルパーの手を借りないといけない。

それで今日、トイレ介助を試みた。
できた。
6日間排便がないという。
それで下剤を入れてもらっていた。
30分もするとトイレをしたいというので介助した。
排尿はできるが、排便は無理らしい。
それに長い時間座っているのはとてもエネルギーを消耗する。
排便を諦めた義母のおしりを拭くとそこに便が付いてきた。

それで急いで看護士に協力してもらおうとベルを鳴らした。
便が固いのと腹筋がないのとで自力でできないのだ。
ベットに横になり、本物のヘルパーさんの指で6日間後にそれが排出された。

それからは気分が軽くなったのか、ベットに起き上がって1時間ほど過ごした。
食事も4分の1のペースト状のおかずと3分の1の重湯を食した。
味噌スープはほとんど飲んだ。

お見舞いの方が3名ほどみえた。
疲れるかなと思ったがそれほどでなく、3時以降から頭がよりはっきりしてきた感じで、自らはなし始めた。

娘が三人息子が二人いるのだが、義母はすっかり誰よりも嫁を信頼しきっている。

ここ数日母ちゃんを見てない、と義理の姉のことをとても知りたがっている。
どこかに離れて行ってしまったみたいだ、家の近くにはいるのかと私に聞く。

共に苦労をしてきた農家の嫁と姑は今は誰にも代替できない絆で結ばれている。

しっかりもので頭のいい姑に散々嫌気がさしていた嫁であったことも忘れ、今では姑の全幅の信頼を担っている。

義母は細い自分の腕をみて3分の1ぐらいになってしまった、これではあの世に近くなるばかりだ、皆に迷惑をかけて大変なことになったと数回つぶやく。

それで義母が看取った姑や舅の話を聞かせてもらうことにした。
ちょっと前のことは忘れても昔の記憶は我々のそれとは比べようのないほど鮮明である。

ふと、私に何か食事をとるようにという。

寝てばかりいて無表情だった義母にかすかに笑みが見られ嬉しい一日であった。
プリンをスプーンで食べさせてあげると、のどが渇いていたからおいしいといって半分ほど食べてくれた。

また、看病に行きたいという気持ちがわいてきた。
ありがとうお母さん。
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