Wii Uで配信中の「任天堂ゲームセミナー2014」の受講生作品。
遊んでみた感想を、順番に描かせていただいてます。
順番はよく分からないので…私がプレイした順に、ということで(笑)
vol,1 ―→ 『アルクラッシュ』
vol,2 ―→ 『ジカンサタンサ』
vol,3 ―→ 『ミチコジャンプ!』
vol,4 ―→ 『ドキドキ手紙リレー』 ←今回はコレ!
※写真は、クリックすると大きなサイズで見れます。
今回紹介するのは、『ドキドキ手紙リレー』です。
小学校の教室で、先生に見つからないように手紙を回していくという、ちょっと微笑ましい感じのゲームです。
私はこんな経験ありませんが(苦笑)
テレビ画面は、こんな感じですね。
ステージは「時間割」という形で分かれており、時間割によって先生もクリア条件も微妙に変わってきます。
この画面は、最も基本のステージとなる「こくご」。手紙に書かれた相手のところまで運んで、また別の相手まで運んで…というのを3回繰り返します。
ゲームパッドには、こんな画面が映っています。
手紙を持っている子の手ですね。
Aボタンで手紙をつかんで…、
ゲームパッドを傾けて視点を操作。前か横の席にいる子のほうを向くと手を伸ばしてくるので、手紙の位置を合わせてゲームパッドをスッと倒すと、手紙を渡すことができます。
ナナメ隣の子には渡せません。
この「ドキドキ」というアイコンが出ている時に先生が振り返ると、見つかってしまいミスになります。3回ミスするとクリア失敗となります。
なので、渡すことばかりに集中せず、テレビ画面を見て先生が振り返らないかをちゃんと見ておく必要があります。先生の種類(?)によって、振り向くまでの法則が違うので、それを理解しましょう。さすがに、予告なく振り返ることは無いので、ご心配なく。
そして、手紙は後ろの席の子にも渡すことができますが、これがなかなか独特。
ゲームパッドを”背中の後ろに回してAボタンを離す”と、後ろの子に手紙を渡すのです。右手で持って背中の後ろに回した時点でゲームパッドは逆さになりますが、それで問題ありません。
また、普通に手渡しでリレーしていくのとは別に、2つの「特別な渡し方」があります。
1つは、「超マッハ渡し」。Xボタンで使用します。
”向いた方向の一番向こうの席にいる子”まで一気に手紙を渡すことができます。
一例)一番左下の席の子が、マッハ渡しで右側に手紙を渡すと、一番右下の席の子まで一気に届きます。
使えるのは、1ステージにつき1回だけですよ。
もう1つは「紙ヒコーキ」。Bボタン押しっぱなしで使用します。
紙ヒコーキを作って、飛ばしたい方向にゲームパッドを傾けて、手紙を渡す時と同じような感じでゲームパッドをスッと倒すと投げます。
投げた先に誰かがいたら、キャッチ!これで、遠くの子やナナメにいる子にも手紙を渡すことができます。しかも何度でも使えます。
ただし、授業中に紙ヒコーキを飛ばすなんて、見つかったらタダじゃすみません。
手渡しと違って紙ヒコーキの場合、投げようとしている時や紙ヒコーキが飛んでいる最中に先生に見つかると、問答無用で一発ゲームオーバーになります。
とはいえ、どちらもタイムを縮めるための有効な手段なので、慣れてきたら試してみましょう。
◆== partygameの感想 ==◆
最後にプレイした受講生作品でしたが、個人的には一番「ビビッ!」と来ました。
受講生作品で唯一、2つの画面を使った遊びを提案。Wii Uならではの遊びに、果敢に挑戦してくれています。
また、学校の教室という設定。手渡しや紙ヒコーキといった手段。授業によって微妙に違う攻略法。後ろに渡すには、ゲームパッドを後ろに回すという操作スタイルなど。斬新ながら自然と溶け込んでいるアイデアの数々が素晴らしいです。
ゲームとしての自然なプレイスタイルを重視すると普通のボタン操作に落ち着きがちですし、斬新な方向を目指すことばかりに集中すると、「いかにも奇をてらった」みたいな違和感を感じやすいものです。自然かつ斬新って、簡単にできることじゃないのですよ。
それでいて、ちゃんと遊び応えのある1つのゲームとして成立しています。素早く渡すコツや、紙ヒコーキを巧みに使ったり。さらに、歯ごたえのある隠しステージもありますし。
配慮についても、なかなか優秀。隠しステージは「専用の隠しコマンド」を入力すればすぐに出せるようになるので、後で挑戦しようと思った時にも安心ですし、Yボタンでいつでもゲームパッドの傾き基準を調整できます。
個人的にこれといって不満はなかったのですが、しいて言うなら1つ。
手紙を渡す時の「ゲームパッドをスッと倒す」という操作が、たまに上手いこと反応しないことがあります。紙ヒコーキの時もそうですね。私がヘタなだけかもしれませんが(苦笑)
とことんまでジャイロ操作にこだわった姿勢は評価したいですが、後ろに手紙を渡す時はAボタンを離すだけで渡せるので、操作性を可能な限り統一することを重視するのであれば、前や横の人に渡す時も、Aボタンを離しただけで渡せるようにしても良かったかも?とは思いました。
ということで、総評。Wii Uならではの可能性を感じさせてくれる、魅力あふれる作品に仕上がっていると思いました。
今作は全8ステージでしたが、もっと色々な「時間割」でバリエーション豊かなステージを作ろうと思えば、いくらでも膨らみそうです。全30ステージくらいあってダウンロードタイトルとして配信されるなら、全然買いますよ!と断言できるくらい、印象に残りました。
子供はこういうの喜んで楽しんでくれそうですし、大人は大人で”ほのぼの”しつつも四苦八苦しながら楽しめそうです。
他の3作品も、ゲームとしては十分よく出来ていましたが、
●= 「任天堂ゲームセミナー2014」の受講生作品を全部遊んでみて =●
まずは、個人的な「面白かったランキング」です。
1位 ―→ 『ドキドキ手紙リレー』
2位 ―→ 『ジカンサタンサ』
3位 ―→ 『アルクラッシュ』
4位 ―→ 『ミチコジャンプ!』
あくまで個人的に、なんでね。
他の3作品も面白かったのですが、やっぱり『ドキドキ手紙リレー』を一通り遊んだ後は、違いました。なんかこう、久々に新世界を味わったって感じがしたんですよね。
むしろ逆に、他の3作品を順位づけするのが、難しかった…。わりと甲乙つけがたかったのですよ。で、結局は、ノリの良さと可愛らしさを取って『ジカンサタンサ』を2番にしました。なので、4番目にしちゃった『ミチコジャンプ!』も、面白くなかったというわけではありません。僅差だと思ってください。
そして、今年の受講生作品は全て、ゲームパッドのジャイロ操作を使用していました。
ここが、前の年と大きく異なるところです。
前年はジャイロ操作を取り入れた作品は1つもなく、むしろボタンとスティックの操作のみで遊ぶ、いわゆる本来のゲームに近いスタイルを重視した作品が多かったです。これについて私は当時、
>> 機能を活かした遊びを考えることが、ダメとは言いません。
>> 今年のE3で、宮本 茂氏はWii Uゲームパッドを活かした新しい遊びを提案しましたしね。
>> でも、それは次のステップであって、今はまず「ちゃんとゲームを完成させられる能力」のほうが必要である、と。
>> そのためのゲームセミナーだったということで、良いのではないでしょうか。
…みたいなことを言いました。ええ。言ってたみたいです(笑)
結果論かもしれませんけど、任天堂はこれまでのWii Uで、比較的”無難なタイトル展開”を見せてきました。Wii Uならではの遊びを提案することより、定番タイトルでまずは土台を固めることが先決だと。そしてその考えが、前年のゲームセミナー受講生作品にも表れていたのかもしれません。
しかし今のところ、その考えはWii Uの市場を潤していると言い難いことに。どれもWiiやDS・3DSと比べると影響力が弱く、Wiiの立役者だった『Wiiスポーツ』や『Wii Fit』なども、上手く次代へつなげられなかった印象が強いです。あくまで印象の問題ですけどね。
そして現在、Wii Uならではの操作スタイルを取り入れた完全新作『スプラトゥーン』が伸びを見せています。
誰が何と言おうと、やっぱりゲーム機ならではの個性や独自性は必要である。改めてそう感じたわけですけど、任天堂がそういう考えにシフトしていっているのに影響して、受講生作品のスタイルもおのずと変化したのかもしれません。
そして私自身も全体的に、前年より今年の受講生作品のほうが、明らかにテンション上がりました。だって、やっぱり楽しいですもの。
商品にしない受講生作品くらい、もっと思い切った姿勢でゲーム制作に取り組んでほしいというのは、以前からずーっと思っていることでしたので。今回、それを再び実感することができて、良かったです。
インターネットではもう、Wii Uが終わっただのゲームパッドが失敗だっただの、そんなネガティブな話題や空気ばかりが広がるようになってきましたが、こういう作品を遊ぶと、まだまだ可能性はいくらでも眠っていると感じさせてくれます。
要するに、サードパーティが来ないことが唯一にして最大の問題なわけで。そこさえ考慮できるのであれば、Wii Uにはまだまだ多くの可能性がある。私はそう信じたいと思います。
関連記事:
ゲームソフト 評価タイトルリスト:ニンテンドーDS その他
ゲームソフト 評価タイトルリスト:Wii U
※過去にDSやWii Uで配信されたゲームセミナー受講生作品の紹介・感想を、まとめています。