vol.229 『スマブラX』発売
(コラム記事より引用)
>>『スマブラX』の開発が始まったのが2005年10月。ゲームの開発と言えど、そこからの2年と3ヶ月は、人生のほぼすべてをこのソフトに注ぎ込んだつもりです。
>>開発にもプライベートにも無理をしました。ゆえに、失ったものもあります。
>>しかしそれで、世界の多くの人が充実感を得られるのなら、安いものと思わなければならないでしょうか。
>>キャラクターの量だけでもひとつの作品として「成立させるのが無理」と言わざるを得ない数量でした。
>>前作に登場したキャラクターもイチから作り直し。バランスは全てひとりで取る。表現力がより深くなったため、キャラクターの制作、チェック等の負担も大きいです。しかし、限界以上にがんばる必要はあると思いました。
>>それだけに、たとえば「前作に出ているキャラクターだから、参戦するのが当たり前だ」というように捉えられるのはツライものです。前作「スマブラDX」の時も死ぬほど苦労していますので。
今作に懸ける桜井さん自身の熱意は相当なものだったと思いますし、それ故に自分自身に多大な負担がかかったことでしょう。しかし、そういう懸命な時ほど、いつ「糸が切れても」おかしくないとも言えるわけです。
ユーザーの度重なる期待、そして自分よがりな言葉1つで、張り詰めた思いがプツンと切れる。これは、桜井さんに限らず誰にだって可能性はあるわけです。それは心が弱いとか、そういう問題を超越したことなんです。むしろ、誠実な人のほうが危ないとも言えることなので、心のコントロールというのはなかなか難しいものです。
とはいえ、「人生のほぼすべてを注ぎ込んだ」とおっしゃっているだけに、もう本当にこのソフトが完成したら死んでもいい、というくらいの思いで制作されていたんでしょうね。むしろ、それくらいの思いがなければ精神が持続しなかったではないかと思います。
(コラム記事より引用)
>>『スマブラ』の次回作はあるのだろうか、と考えたとき。
>>なんだかんだで3作まで続いたのだから、4作目以降も出てくる可能性はあると思います。
>>しかし、少なくとも現在の延長線で制作することはありえないことでしょう。
>>たとえば今回”亜空の使者”という横スクロールアクションゲームを挿入しましたが、今後それをなくした『スマブラ』を作ったら、お客さんが満足できうるのか。満足できないから、新規要素も入れつつイチから作るのか。
>>過去作にあったものがないことには、ユーザーの気持ちを思えば慎重にならざるを得ません。
>>しかし、恐竜はカラダを大きくし過ぎたために滅んだんですよね……。
シリーズ作って、何作目かに来た時に大抵は大きな変化をつけます。それは、そのままの状態でただ「知らないもの」が増えていくことに、疑問を感じるクリエーターがいることから始まります。「進化版でいい」と、考えることをしない作品も多いでかもしれませんが。
どちらかというと、そういう場合は「前作を遊んでくれたユーザーに楽しんでもらう」という考え方はあまりしません。そもそも単純に考えて、そういうものを作ったら前作より多く売れることはないですし、「前作より面白いもの」と考えた時、前作ユーザーということを考えてしまうと発想が縮こまってしまうわけです。
もちろん、時間いっぱい考えた末に前作のパワーアップ版になるのであればそれでいいわけですが、一方で前作とかなり違う形式になっても、前作を上回る面白さができるのであればそうなるでしょう。とはいえ、違う形式になればなるほど制作にかかる時間もお金もかかるわけなので、簡単な理由で変化することは許されないという事実もありますが。
『スーパーロボット大戦』シリーズが良い例かもしれません。
ある作品から戦闘画面による超絶クオリティなアニメーションが伸びを見せましたが、それで何作も続けてきてしまった故に、寺田プロデューサー自身も「より高いクオリティを」という意識からなかなか抜け出せなくなってきました。その作品の本質は、そこばかりではないのかもしれないのに…。
だからこそ、『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』は珍しく大きな変化を付けてきたので、今後の展開に期待しているわけです。
上ばかりを目指すのではなく、周りを見て新しいものを拾う。これはゲームに限らず、大事なことです。
何はともあれ、スマブラXもようやく発売を迎え、私もどっぷり楽しませてもらっています。桜井さんと今作に関わったスタッフ、本当にお疲れ様でした。
まだローカライズ(海外版)対応などがあるのですぐに休暇とはいかないとは思いますが、一通り全てを終えたときは、まあゆっくり人間らしく休んでもらいたいものです。
(コラム記事より引用)
>>『スマブラX』の開発が始まったのが2005年10月。ゲームの開発と言えど、そこからの2年と3ヶ月は、人生のほぼすべてをこのソフトに注ぎ込んだつもりです。
>>開発にもプライベートにも無理をしました。ゆえに、失ったものもあります。
>>しかしそれで、世界の多くの人が充実感を得られるのなら、安いものと思わなければならないでしょうか。
>>キャラクターの量だけでもひとつの作品として「成立させるのが無理」と言わざるを得ない数量でした。
>>前作に登場したキャラクターもイチから作り直し。バランスは全てひとりで取る。表現力がより深くなったため、キャラクターの制作、チェック等の負担も大きいです。しかし、限界以上にがんばる必要はあると思いました。
>>それだけに、たとえば「前作に出ているキャラクターだから、参戦するのが当たり前だ」というように捉えられるのはツライものです。前作「スマブラDX」の時も死ぬほど苦労していますので。
今作に懸ける桜井さん自身の熱意は相当なものだったと思いますし、それ故に自分自身に多大な負担がかかったことでしょう。しかし、そういう懸命な時ほど、いつ「糸が切れても」おかしくないとも言えるわけです。
ユーザーの度重なる期待、そして自分よがりな言葉1つで、張り詰めた思いがプツンと切れる。これは、桜井さんに限らず誰にだって可能性はあるわけです。それは心が弱いとか、そういう問題を超越したことなんです。むしろ、誠実な人のほうが危ないとも言えることなので、心のコントロールというのはなかなか難しいものです。
とはいえ、「人生のほぼすべてを注ぎ込んだ」とおっしゃっているだけに、もう本当にこのソフトが完成したら死んでもいい、というくらいの思いで制作されていたんでしょうね。むしろ、それくらいの思いがなければ精神が持続しなかったではないかと思います。
(コラム記事より引用)
>>『スマブラ』の次回作はあるのだろうか、と考えたとき。
>>なんだかんだで3作まで続いたのだから、4作目以降も出てくる可能性はあると思います。
>>しかし、少なくとも現在の延長線で制作することはありえないことでしょう。
>>たとえば今回”亜空の使者”という横スクロールアクションゲームを挿入しましたが、今後それをなくした『スマブラ』を作ったら、お客さんが満足できうるのか。満足できないから、新規要素も入れつつイチから作るのか。
>>過去作にあったものがないことには、ユーザーの気持ちを思えば慎重にならざるを得ません。
>>しかし、恐竜はカラダを大きくし過ぎたために滅んだんですよね……。
シリーズ作って、何作目かに来た時に大抵は大きな変化をつけます。それは、そのままの状態でただ「知らないもの」が増えていくことに、疑問を感じるクリエーターがいることから始まります。「進化版でいい」と、考えることをしない作品も多いでかもしれませんが。
どちらかというと、そういう場合は「前作を遊んでくれたユーザーに楽しんでもらう」という考え方はあまりしません。そもそも単純に考えて、そういうものを作ったら前作より多く売れることはないですし、「前作より面白いもの」と考えた時、前作ユーザーということを考えてしまうと発想が縮こまってしまうわけです。
もちろん、時間いっぱい考えた末に前作のパワーアップ版になるのであればそれでいいわけですが、一方で前作とかなり違う形式になっても、前作を上回る面白さができるのであればそうなるでしょう。とはいえ、違う形式になればなるほど制作にかかる時間もお金もかかるわけなので、簡単な理由で変化することは許されないという事実もありますが。
『スーパーロボット大戦』シリーズが良い例かもしれません。
ある作品から戦闘画面による超絶クオリティなアニメーションが伸びを見せましたが、それで何作も続けてきてしまった故に、寺田プロデューサー自身も「より高いクオリティを」という意識からなかなか抜け出せなくなってきました。その作品の本質は、そこばかりではないのかもしれないのに…。
だからこそ、『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』は珍しく大きな変化を付けてきたので、今後の展開に期待しているわけです。
上ばかりを目指すのではなく、周りを見て新しいものを拾う。これはゲームに限らず、大事なことです。
何はともあれ、スマブラXもようやく発売を迎え、私もどっぷり楽しませてもらっています。桜井さんと今作に関わったスタッフ、本当にお疲れ様でした。
まだローカライズ(海外版)対応などがあるのですぐに休暇とはいかないとは思いますが、一通り全てを終えたときは、まあゆっくり人間らしく休んでもらいたいものです。
さっさとマップを進めたいって気持ちがありますから。
昔のFみたいに戦闘シーンを省略出来ない時代は思い出したくないなぁ(遠い目)
あとシリーズものが大きく変わるのは4くらいからですね。
スターオーシャンやワイルドアームズみたいに毎回違うのもありますけど。
私もまあ最初の2~3回。あとは「ここぞ!」という時にONにするくらいで、後はほとんど飛ばしていますね。これは同シリーズのvol.1でも話しましたが、それだけ「映像」は「消耗が激しい」ということです。
(この記事には書いていませんが)このコラム記事でも、『バイオハザード4』を例に取り上げていらっしゃいました。変わり目は4か3くらいからですかね。
となると…スマブラ次回作は、まさにその時?出ればの話ですが。