チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「スケーターズ・ワルツとブローニュの森/ワルトトイフェル没後100年」

2015年02月12日 16時33分20秒 | 説くクラ音ばサラサーデまで(クラ音全般
Emile Waldteufel(エミール・ヴァルトゥフェル、(ヴァルトトイフェル)、1837-1915)、
いわゆるワルトトイフェルは、百年前の今日、
77歳で死んだ。結婚して2男1女をもうけた普通人である。
その作品(ワルツが多い)も耳当たりのいい、きわめて
常識的な曲想である。とはいえ、
生きてた時代だけ採りあげられて、
死後は顧みられなくなるほど低俗でもない。
いくつかは現在でも聴かれる。そのひとつに、
"Les Patineurs(レ・パチヌル、英語でThe Skaters Waltz)(op.183)
という1882年に作曲されたものがある。
トスカニーニも録音を残してる(が、完全に小馬鹿にしてる感が伝わってくる)。

♪ミーー│<ソー<ラ│ラーー│ーーー│
>ファーー│<ラー<シ│シーー│ーーー♪
という、メイン・テーマが超ポピュラーなものである。

ピエル・オギュスト・ルヌワル、いわゆるオーギュスト・ルノワールの
"Patineurs au bois de Boulogne
(パチヌル・オ・ブワ・ドゥ・ブロニュ=ブローニュの森のスケート人たち)
(1868年制作、Spencer Douglas David Compton, 7th Marquess of Northampton
(第2期第7代ノーサンプトン侯爵スペンサー・ダグラス・デイヴィド・コンプトン)蔵)
という拙い油彩画が残ってるとおり、19世紀後半のフランス、パリでは、
冬場、ナポレオン3世が整備させたブローニュの森の凍った人工池で
裕福な市民らがスケイトを娯楽として楽しんでたのである。
そんな森の風俗を名にし負うワルトトイフェルは音楽に描いた。

ともあれ、
この森でのスケート娯楽はけっこうのちまで行われてて、
30代半ば過ぎのアンドレ・ジドの日記にも触れられてる。
1908年に危険区域に入って氷が割れ、それを助けにと
大勢が動いたことでさらに亀裂が広がって
30人が氷の下に落ち2人が死ぬ大惨事も起こってる。

(ティンパニ以外の打楽器を抜いた「スケーターズ・ワルツ」を
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/waldteufel-les-patineurs-the-skaters-waltz-without-percussions
にアップしました)
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