私が受験生だった頃、世界史では、
オットー1世(大帝)のローマ皇帝戴冠の年を、
「オットー大帝は苦労人(クロウニン=962)」とか
「戴冠の、オットー大帝、苦労人」とか
という語呂合わせの覚えかたをしてる人がいた。
いずれにしても、オットー大帝は
クローン人間でも素浪人でもなかったようである。が、
このオットーからつづくオットー2世、オットー3世のオットー三代には、
チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の本来の筋と、
その元ネタだとされてる
ムーゾイスの「奪われたヴェール」の話と登場人物に、
さまざまな共通点が浮かび上がるのである。
まず、
【Otto(オットー)】というドイツ語の名である。これは元は
Odo(オード)という名であり、それはまた、
Odin、Wotanに遡れる。ともあれ、このOdoは、
ドイツ語ではOttoとなり、隣接する
フランス語圏ではEudes(オド)となり、
それが英語ではEdward、Edmund、Edgarなどとなった。
いっぽう、このOdoは女性にも附けられ、
Odilaとなり、さらに、
Ottilieとなって、それが隣接する現在のアルサス・ロレヌあたりでは
Ottiliaとなった。アルザス公アダルリク(645-689)の娘で
のちに聖人に列せられたOttilia(662-720)の名である。
(cf;「ドイツ人の中のフランス娘オデットとオディール/チャイコフスキーのバレエ『白鳥の湖』」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/267c2f2bdc23187c469f73eaad3b7300)
このOttiliaがフランス語圏で
【Odile(オディル)】となり、さらにまた【Odette(オデト)】になった。
オットー1世(大帝、912-973)は、
1100年前の912年に、その7年後に東フランク王ハインリヒ1世となる
ザクセン大公ハインリヒの次男(2番目の妻マティルデの第1子)として生まれた。が、
母マティルデはオットーの次の弟ハインリヒを溺愛して、オットーを疎んだ。
東フランク王となった父ハインリヒが936年に死んだとき、諸侯は
オットーが王位を継ぐことを承認したが、母マティルデだけが反対した。さらに、
このオットーの跡を継いだオットー2世が若くして死んだとき、
孫にあたるオットー3世が継ぐ王位を、かつてオットー1世を疎んで
その代わりに溺愛したハインリヒが狙った。が、
オットー3世の母であるテオファヌが守護して難局を乗り切った。これらは、
「白鳥の湖」の原台本では、
【継母によって命を狙われてたオデット】
【継母から狙われるオデットを昼は白鳥の姿に変えて守護した祖父】
として寓されてる。
オットー1世の孫オットー3世は結婚前に若くして死んでしまうのだが、
その婚約者は母テオファヌと同じく東ローマ帝国の皇帝の娘であり、
その名を【ゾイ(ギリシャ文字で)ゼータ・オー=メガ・エータ】
【Zoe(ドイツ語的発音ではツォーエ)】といった。いっぽう、
「奪われたヴェイル」で主人公ベンノの「不滅の恋人」の名も
【Zoe】なのである。
ナクソス島領主の妻ツォーエとベンノはツォーエの夫に幽閉されるが、
二度とナクソス島に戻らないという条件で解放される。
島で親しくなった医師に、
「ツォーエは白鳥に変身する。白鳥だから水浴しなければならない。
そのときに脱いだ王冠とヴェイルを奪ってしまえば、もう飛べなくなる」
とそそのかされる。この医師の名は、
テオフラストスという。オットー3世の母テオファヌと同源の名である。ともあれ、
ベンノはツォーエとついぞ結ばれることなく死ぬ。が、
ベンノの弟子となってその財産のすべてを贈された
シュヴァーベン人の若者フリートベルトはツォーエの娘のカリステと結ばれる。
(cf;「トリスタンとベンノ、そしてアリアドネの類似性(「白鳥湖」の予備知識その3)」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/d1b9734586f9a271b7fe65bcf493ca7b)
ドイツ語で「白鳥の湖」は"Schwanensee(シュヴァーネンズィー)"と表す。
【Schwanen(シュヴァーネン)】とフリートベルトの故郷【Schwaben(シュヴァーベン)】に
韻を踏ませてるのである。ちなみに、
schwanenという語は「イヤな予感がする」という動詞でもある。
オットー1世の弟ハインリヒが反乱を起こしたときに異母兄をはじめとして
ロートリンゲン公、フランケン大公、バイエルン大公など
大勢が弟に加勢した中で、オットーに助太刀したのはわずかに
【Schwaben(シュヴァーベン)】公ハインリヒ1世だった。が、
勝ったのはオットー1世だった。
さらに年月が進み、
オットー1世と弟ハインリヒに対して倅ロイドルフが謀叛を起こし、それに今度は
娘婿コンラート赤毛公が加担した。結局、
オットー1世の前に屈するのだが、オットー1世は
【異教徒】であるマジャール人が攻め込んでくるのを逆に好機と捉え、
「異教徒を誘き入れたのはロイドルフとコンラートだ」
という虚偽の噂を流して人民の反感を誘ったのである。この
【異教徒】というネタも、「白鳥の湖」ではオデットの義母にその
キャラクターを負わせてるのである。
罪一等を減じられて蟄居処分という情けをかけられた娘婿コンラートは、
自分が誘き入れたのではないことを証明しようとして
蟄居の身ながらマジャール軍に挑み、オットー1世の窮状を救った。そして、
自らは戦死して汚名の恥辱を濯いだのである。いっぽう、
オットー1世はこの戦勝によって
「異教徒を駆逐してキリスト教を護った聖なる王」
と讃えられることになった。
ときに、
11世紀後半からはホーエンシュタウフェン家のフリードリヒが
シュヴァーベン大公となるが、その孫のフリードリヒはイタリア語で
【Barbarossa(バルバロッサ)赤髭公】と呼ばれ、
神聖ローマ皇帝となったのである。ちなみに、
神聖ローマ帝国が危機に陥ったときには必ず、
この【赤髭公】が永い眠りから目覚めて帝国の危機を救う、
という迷信があったという。
「白鳥の湖」ではフランス語名Odile(オディール)の父親である
ドイツ語貴族名Baron von Rothbart(バロン・フォン・ロートバールト)の
【Rothbart(いわゆるロットバルト)】は【赤髭】という意味である。
イタリア王にたびたび教皇領を狙われてたローマ教皇ヨハネス12世は
その都度、オットー1世の加勢でそれを凌いできた。
962年、またしても脅かされたヨハネス12世はオットー1世に
援軍を頼んだ。オットー1世はその期待に応えた。そして、
ついにヨハネス12世はオットー1世の頭上に
のちに「神聖ローマ皇帝」と呼ばれる
ローマ皇帝の冠を授けたのである。
オットー大帝は暫くイタリアに留まり、
前イタリア王父子の再びの反乱を警戒した。965年、
ようやく子のオットー2世にあとを託してイタリアを経つと、
あんのじょう、前イタリア王父子は反乱を企てた。が、
オットー1世配下のシュヴァーベン公によって駆逐されたのである。
973年、
オットー大帝は波瀾万丈の61年の生涯を隠居地で閉じた。その地
Memleben(メムリーベン)という田舎は、エアフルトとハレの中間、
すぐ東はライプツィヒ、というロウケイションである。そして、
「奪われたヴェイル」のツヴィッカウ郊外の
"Schwanenteich(シュヴァーネンタイヒ=白鳥池)は、
ここから85kmほど南東にある。
現在、ユーロ危機だということである。
赤髭公が永い眠りから醒め、
オットー・ハプスブルク亡きあとの欧州を救う、
なんていう「超常現象」が起こるかもしれない(※)。
チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」では、赤髭という名のわりに
「黒」いイメージなロートバールトであるが、
神聖ローマ皇帝としては「正義」の味方、なのである。
5世がヘマした分の損失を埋めるため、
日本に留学までして日本を経済的に統治する術を磨いた
4世ロックフェラーは、ギリシャの格付けをムーディーズに引き下げさせて
ユーロ危機を煽り、円高で我が懐に金が流れる道を確保した。
消費税を引き上げさせ、日銀には金融緩和させずに、
TPPに加入させて、さらに日本から吸い上げれば、
ロックフェラー家は安泰である。ロックフェラーが支配するアメリカに逆らったら
どんなに怖いめにあうか身に染みて解ってる日本の
高級官僚たちは利口にたちふるまう。それが
敗戦国日本に与えられた唯一の選択肢なのである。
民主党の愚策によって、
「脱官僚!」「なんでいつまでもアメリカの言いなりになってるんだ!」
なんて口だけ騒ぐ政治家や市民運動家などがいかに白々しい存在か、
一般の人々にも判ってきてしまってるのである。
オットー1世(大帝)のローマ皇帝戴冠の年を、
「オットー大帝は苦労人(クロウニン=962)」とか
「戴冠の、オットー大帝、苦労人」とか
という語呂合わせの覚えかたをしてる人がいた。
いずれにしても、オットー大帝は
クローン人間でも素浪人でもなかったようである。が、
このオットーからつづくオットー2世、オットー3世のオットー三代には、
チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の本来の筋と、
その元ネタだとされてる
ムーゾイスの「奪われたヴェール」の話と登場人物に、
さまざまな共通点が浮かび上がるのである。
まず、
【Otto(オットー)】というドイツ語の名である。これは元は
Odo(オード)という名であり、それはまた、
Odin、Wotanに遡れる。ともあれ、このOdoは、
ドイツ語ではOttoとなり、隣接する
フランス語圏ではEudes(オド)となり、
それが英語ではEdward、Edmund、Edgarなどとなった。
いっぽう、このOdoは女性にも附けられ、
Odilaとなり、さらに、
Ottilieとなって、それが隣接する現在のアルサス・ロレヌあたりでは
Ottiliaとなった。アルザス公アダルリク(645-689)の娘で
のちに聖人に列せられたOttilia(662-720)の名である。
(cf;「ドイツ人の中のフランス娘オデットとオディール/チャイコフスキーのバレエ『白鳥の湖』」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/267c2f2bdc23187c469f73eaad3b7300)
このOttiliaがフランス語圏で
【Odile(オディル)】となり、さらにまた【Odette(オデト)】になった。
オットー1世(大帝、912-973)は、
1100年前の912年に、その7年後に東フランク王ハインリヒ1世となる
ザクセン大公ハインリヒの次男(2番目の妻マティルデの第1子)として生まれた。が、
母マティルデはオットーの次の弟ハインリヒを溺愛して、オットーを疎んだ。
東フランク王となった父ハインリヒが936年に死んだとき、諸侯は
オットーが王位を継ぐことを承認したが、母マティルデだけが反対した。さらに、
このオットーの跡を継いだオットー2世が若くして死んだとき、
孫にあたるオットー3世が継ぐ王位を、かつてオットー1世を疎んで
その代わりに溺愛したハインリヒが狙った。が、
オットー3世の母であるテオファヌが守護して難局を乗り切った。これらは、
「白鳥の湖」の原台本では、
【継母によって命を狙われてたオデット】
【継母から狙われるオデットを昼は白鳥の姿に変えて守護した祖父】
として寓されてる。
オットー1世の孫オットー3世は結婚前に若くして死んでしまうのだが、
その婚約者は母テオファヌと同じく東ローマ帝国の皇帝の娘であり、
その名を【ゾイ(ギリシャ文字で)ゼータ・オー=メガ・エータ】
【Zoe(ドイツ語的発音ではツォーエ)】といった。いっぽう、
「奪われたヴェイル」で主人公ベンノの「不滅の恋人」の名も
【Zoe】なのである。
ナクソス島領主の妻ツォーエとベンノはツォーエの夫に幽閉されるが、
二度とナクソス島に戻らないという条件で解放される。
島で親しくなった医師に、
「ツォーエは白鳥に変身する。白鳥だから水浴しなければならない。
そのときに脱いだ王冠とヴェイルを奪ってしまえば、もう飛べなくなる」
とそそのかされる。この医師の名は、
テオフラストスという。オットー3世の母テオファヌと同源の名である。ともあれ、
ベンノはツォーエとついぞ結ばれることなく死ぬ。が、
ベンノの弟子となってその財産のすべてを贈された
シュヴァーベン人の若者フリートベルトはツォーエの娘のカリステと結ばれる。
(cf;「トリスタンとベンノ、そしてアリアドネの類似性(「白鳥湖」の予備知識その3)」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/d1b9734586f9a271b7fe65bcf493ca7b)
ドイツ語で「白鳥の湖」は"Schwanensee(シュヴァーネンズィー)"と表す。
【Schwanen(シュヴァーネン)】とフリートベルトの故郷【Schwaben(シュヴァーベン)】に
韻を踏ませてるのである。ちなみに、
schwanenという語は「イヤな予感がする」という動詞でもある。
オットー1世の弟ハインリヒが反乱を起こしたときに異母兄をはじめとして
ロートリンゲン公、フランケン大公、バイエルン大公など
大勢が弟に加勢した中で、オットーに助太刀したのはわずかに
【Schwaben(シュヴァーベン)】公ハインリヒ1世だった。が、
勝ったのはオットー1世だった。
さらに年月が進み、
オットー1世と弟ハインリヒに対して倅ロイドルフが謀叛を起こし、それに今度は
娘婿コンラート赤毛公が加担した。結局、
オットー1世の前に屈するのだが、オットー1世は
【異教徒】であるマジャール人が攻め込んでくるのを逆に好機と捉え、
「異教徒を誘き入れたのはロイドルフとコンラートだ」
という虚偽の噂を流して人民の反感を誘ったのである。この
【異教徒】というネタも、「白鳥の湖」ではオデットの義母にその
キャラクターを負わせてるのである。
罪一等を減じられて蟄居処分という情けをかけられた娘婿コンラートは、
自分が誘き入れたのではないことを証明しようとして
蟄居の身ながらマジャール軍に挑み、オットー1世の窮状を救った。そして、
自らは戦死して汚名の恥辱を濯いだのである。いっぽう、
オットー1世はこの戦勝によって
「異教徒を駆逐してキリスト教を護った聖なる王」
と讃えられることになった。
ときに、
11世紀後半からはホーエンシュタウフェン家のフリードリヒが
シュヴァーベン大公となるが、その孫のフリードリヒはイタリア語で
【Barbarossa(バルバロッサ)赤髭公】と呼ばれ、
神聖ローマ皇帝となったのである。ちなみに、
神聖ローマ帝国が危機に陥ったときには必ず、
この【赤髭公】が永い眠りから目覚めて帝国の危機を救う、
という迷信があったという。
「白鳥の湖」ではフランス語名Odile(オディール)の父親である
ドイツ語貴族名Baron von Rothbart(バロン・フォン・ロートバールト)の
【Rothbart(いわゆるロットバルト)】は【赤髭】という意味である。
イタリア王にたびたび教皇領を狙われてたローマ教皇ヨハネス12世は
その都度、オットー1世の加勢でそれを凌いできた。
962年、またしても脅かされたヨハネス12世はオットー1世に
援軍を頼んだ。オットー1世はその期待に応えた。そして、
ついにヨハネス12世はオットー1世の頭上に
のちに「神聖ローマ皇帝」と呼ばれる
ローマ皇帝の冠を授けたのである。
オットー大帝は暫くイタリアに留まり、
前イタリア王父子の再びの反乱を警戒した。965年、
ようやく子のオットー2世にあとを託してイタリアを経つと、
あんのじょう、前イタリア王父子は反乱を企てた。が、
オットー1世配下のシュヴァーベン公によって駆逐されたのである。
973年、
オットー大帝は波瀾万丈の61年の生涯を隠居地で閉じた。その地
Memleben(メムリーベン)という田舎は、エアフルトとハレの中間、
すぐ東はライプツィヒ、というロウケイションである。そして、
「奪われたヴェイル」のツヴィッカウ郊外の
"Schwanenteich(シュヴァーネンタイヒ=白鳥池)は、
ここから85kmほど南東にある。
現在、ユーロ危機だということである。
赤髭公が永い眠りから醒め、
オットー・ハプスブルク亡きあとの欧州を救う、
なんていう「超常現象」が起こるかもしれない(※)。
チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」では、赤髭という名のわりに
「黒」いイメージなロートバールトであるが、
神聖ローマ皇帝としては「正義」の味方、なのである。
5世がヘマした分の損失を埋めるため、
日本に留学までして日本を経済的に統治する術を磨いた
4世ロックフェラーは、ギリシャの格付けをムーディーズに引き下げさせて
ユーロ危機を煽り、円高で我が懐に金が流れる道を確保した。
消費税を引き上げさせ、日銀には金融緩和させずに、
TPPに加入させて、さらに日本から吸い上げれば、
ロックフェラー家は安泰である。ロックフェラーが支配するアメリカに逆らったら
どんなに怖いめにあうか身に染みて解ってる日本の
高級官僚たちは利口にたちふるまう。それが
敗戦国日本に与えられた唯一の選択肢なのである。
民主党の愚策によって、
「脱官僚!」「なんでいつまでもアメリカの言いなりになってるんだ!」
なんて口だけ騒ぐ政治家や市民運動家などがいかに白々しい存在か、
一般の人々にも判ってきてしまってるのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます