チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「中央停車場/鍛冶橋内吉良邸→津山松平邸→東京駅開業から100年」

2014年12月20日 19時36分25秒 | 歴史ーランド・邪図
記念Suica購買希望者が殺到してついには途中で
発売中止となったという報道がされてる。
プロジェクション・マッピングのときといい、
JR東日本の群衆処理の不手際は18番となってるようだ。
ともあれ今日は東京駅が開業して100年の日にあたる。
日本の鉄道開業が明治5年(142年前)だったことを考えると、
ずいぶんと"若い"駅である。つまり、
鉄道開業からしばらくは、現在の東京駅に
ターミナル駅を作るという考えはなかったのである。
(cf;「おらはぶんだまげだ、須田町の真ん中で/旧万世橋駅『マーチエキュート神田万世橋』開業」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/90f2fdb92c47d676a7cb651219ed6a6f )
それが一転、上野と新橋を"高架"線で結ぶ計画が持ち上がり、
現在の東京駅を"中央停車場"という構想ができた。

丸の内北口および南口のドームの八角形天井には
それぞれ同様に8つの干支のレリーフが填めこまれてる。これは
米軍の民間人無差別空襲で焼け落ちる以前にも
あったものである。つまり、
辰野金吾の設計である。が、
東西南北に位置する卯午酉子はないのである。いっぽう、
辰野が東京駅と同時に受注してた
佐賀県武雄温泉の楼門内の二階天井の四隅(東西南北)に
東京駅に欠けてる卯午酉子の木板が張られてるのである。
このことは昨年の3月に東京ステーションホテルの社員が
同温泉に電話で「動物の絵が飾ってありますか?」と
問い合わせたことで発覚したと、さまざまなところで
報道され、特集されて広く知られることになった。
辰野は唐津藩士の家に生まれた。つまり、
武雄は郷里に近いのである。
(cf;「ベニスに死して東京駅で甦った、哀しく傷ましいアダージェット(マーラー作曲)」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/6524b3f6062fb04349406df201b2324b )

ところで、
この辰野金吾が設計した東京駅(丸の内口)は、江戸時代には
大名屋敷が建ち並んでた。大名屋敷というと語弊がある。
老中・大目付・若年寄などの役宅、それから、
評定所・伝奏屋敷・北町および南町奉行所など、
役宅・役所といった性格の屋敷がほとんどである。その中で、
役所でない上屋敷があった。江戸時代初期には
高家筆頭の吉良家の屋敷が鍛冶橋の西側に赤穂事件直後まであった。
そして、江戸時代中期以降には、
津山藩松平家(5万石)の広大な上屋敷が、現在の
東京駅丸の内口の真ん前からTITTEあたり一面にあった。
役宅でもない普通の上屋敷が、である。しかも、
"たった5万石(当初は10万石。末期養子で半知。幕末に10万石に復帰)"
の"小藩"である。が、じつはこの松平家、本来は
松平の中の松平、なのである。
家康の次男結城秀康の系統である。つまり、三男の秀忠の将軍家よりも
"長"な家柄のである。家としては、
今年が勃発から400年にあたる大阪の陣でもっとも功労があった(翌年の夏の陣で)
松平忠直の家である。
忠直は功に比して恩賞の小ささに不満を持ち、
その行状不埒につき隠居、配流、謹慎とされ、
家も分割、交換された。その果てに
恩情として秀康の曾孫にあたる宣富に津山10万石が与えられた。
そして給されたのが鍛冶橋の西の広大な上屋敷だった。
かつては67万石だった家が10万石、そしてすぐに跡継ぎ未決のまま
宣富が死んでしまった不始末で半知となった、たった5万石なのに、
家格は以降の歴代が正または従四位で官位は侍従または左近衛中将、
越前守を名乗ることを許され(最後の藩主は秀康由緒の三河守)た家として、
江戸城正面の外濠内にデンと構えさせた、ということだろう。ちなみに、
秀康のときの広大な下屋敷は現在の六本木交差点からミッドタウン一帯にあった
(のちには毛利家の中屋敷となる)。だから、そのあたりは
三河台と呼ばれ、現在でもわずかに三河台公園にその名残がある。ともあれ、
津山藩士の家に生まれた政治家にA級戦犯とされて靖国に祀られてる
平沼騏一郎がいる。東京駅で撃たれた浜口雄幸と敵対してた政治家である。
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