もうやめてほしいと言ったのに、
もう許してほしいと懇願したのに、
彼女はまるで聞こえないようなふりをする。
その指が、舌が、唇が、
どこまでもわたしを狂わせる。
あのとき、わたしはまだ23歳だった。
会社でも任される仕事はそれほど多くなく、定時になれば職場を離れて、同僚の女の子たちと共に毎晩のように飲みに出かけた。できたばかりのオシャレな居酒屋、いい男が集うと噂のショットバー、 . . . 本文を読む
あ、やだ・・・。
本当はちっとも嫌じゃないのに、そんな声を漏らしてしまう。部屋には誰もいないのに、恥ずかしさに思わず頬が熱くなる。
これから何が起きるのかを知っているから、もう体はしっかりと反応をみせる。裸の乳首はつんと上を向いて尖り、足の間からは愛液が流れ落ちそうなほど。
ソレは今夜もわたしの体を弄ぶ。小さな黒い箱の中から伸びる、細く長い無数のぬるりとした・・・そう、まるでイソギンチャ . . . 本文を読む
もうすぐ2月が終わる。卒業式の日が近づいてくる。
慣れ親しんだいろいろなものと、サヨナラする季節。
4年間過ごした大学を卒業することよりも、社会に出ることの不安よりも、友達と離れることよりも。ほかのどんなことよりも、ずっとずっと心にかかることがある。
中学生の時に初めて同じクラスになって、高校も同じで、偶然にも大学まで同じところに通っていたヒロキ。家が近くて、なんとなく一緒に帰ったり . . . 本文を読む
ここは、いろいろな生き物たちがくらす森。
まっくら闇の夜が終わりを告げ、やわらかな太陽の光が降り注ぐ、森の朝。
空には小鳥が歌い、木の上ではサルの兄弟たちが楽しそうに遊んでいます。むこうの草むらではおかあさんライオンが生まれたばかりの赤ちゃんライオンの毛づくろいをしてあげています。気持ち良さそうに目を閉じた表情が、とてもかわいいですね。
湖には魚たちがゆったりと泳ぎ、虫たちは自由気ま . . . 本文を読む
「すみません、またあのお客さんなんですけど・・・」
猫の手も借りたいほどの忙しさの中、アルバイトの女の子が形よく整えた眉尻を下げて泣きそうな顔でわたしに訴える。いつものクレーマーに困らされているらしい。苛立ちを押さえこんで笑顔で答える。
「いいよ、こっちで対応するから・・・そんな顔しないの。お疲れさま!」
ホッとしたような表情で頭を軽く下げ、彼女は売り場へと戻っていった。ふう。薄暗いバッ . . . 本文を読む